上海上場国営不動産企業の陆家嘴が100億元(2000億円)近くで購入した蘇州の土地が、深刻な環境汚染された土地だったことが発覚し、不動産価格が暴落

 

新たな鬼城が誕生しそうです

· 【最新ニュース】,China News

https://youtu.be/QD8Y1RBOgeg?si=xoavp07sGvfBNx8E

上海陸家嘴金融貿易区開発有限公司(以下「陸家嘴」)は7年前に85億2500万元(1700億円位)を投じて蘇州で17区画の土地を購入しましたが、その6年後に14区画の土地で汚染が深刻である事が判明しました。現在、怒った陸家嘴は訴訟を開始し中国のネットユーザーに注目されています。

この事件は単なる企業間の紛争かと思われましたが。 11月8日詳細な情報が開示されたことで、この事件は瞬く間にホットな検索へと駆け上がりました。

話題になっている理由は複数ありますが、陸家嘴の損害賠償請求額が100億元(2000億円位)にも上る事や、重度に汚染された土地は2016年に購入されましたが、汚染状況が発見されたのは2022年になってからでした。なぜ建設現場が動いていた6年間の間に汚染問題が発見されなかったのか?等が注目されています。

broken image

そしてそこに含まれる汚染物質が、建設労働者の健康に影響を及ぼしていたのではないか?とも言われています。

この土地は陸家嘴のグローバル化戦略として購入された土地で、現在は鬼城化しつつあります。

計画も停止しており一部の区画には雑草が生い茂り、建設済みの学校、商業区域、住宅も「有害な土地問題」のせいで空っぽとなっています。

陸家嘴が開発した現場。

broken image

11月9日午後、記者が現場を確認した所、プロジェクトの住宅地には複数の住宅が建てられていたが、人が住んでいるのはごく一部の住宅だけで、ほとんどの住宅は人が住んでいませんでした。

完成した学校の校庭には雑草が生い茂り、真新しい校舎も空っぽでした。

学校のフェンスにある汚染警告サイン⇩

broken image

商業機能エリアにオフィスビルを建設済み⇩

broken image

この蘇州グリーンバンクプロジェクトの多くの場所では、土壌中のベンゾピレンとナフタレンが基準値を大幅に超えており、土壌や地下水が広範囲に汚染されています。

ベンゾピレンとは? 

コールタール,石油中などに含まれる強い発癌作用をもつ物質です。 これが都市や工業地帯の粉塵中に発見され,肺癌との関連で注目された物質です。

ベンゾピレンはヒトに対して遺伝毒性(変異原性)を有する発がん性物質であり、非発がん性については、生殖毒性、免疫毒性及び神経毒性を有する物質であると評価もされています

・ナフタレンとは?

ナフタレンは血液に影響を与え、慢性溶血性貧血を起こす事があると言われています。

経口摂取によりばく露すると死に至る事も。 眼にも影響があり白内障になる事もあり、発がん性物質の可能性があるとも。

このプロジェクトで完成した金秀蘭山市の複数の住宅ビル⇩

broken image

この地域に移住してきた住民の多くは、家を購入した時の価格は周囲の他の物件に比べて少し高かったが、今では「有毒土地」事件の影響で住宅価格が大幅に下落したと記者団に語っています。更に重要なのは、これまでのところ、この土地区画が汚染されている危険性があるかどうかを誰も彼らに伝えていないという事です。

蘇州グリーンバンクプロジェクト第8区画では、ゲートに「この区画には汚染の危険性があり、許可なしの立ち入りは固く禁じられています」と書かれた目を引く赤い警告看板が掲げられています。⇩

broken image

今回の土地汚染事件は、インターナショナルスクール建設事業計画に伴い実施した土壌汚染調査によって発覚。

この計画の蘇州読書学校は、蘇州春華教育グループと英国の読書学校が共同で第2区画に建設しました。中国初の朗読学校という事で、プロジェクト設立から建設着工、入学まで多くの注目を集めてきました。

関係者によると、2021年6月学校免許申請の過程で蘇州高新区環境保護局の要求に従い、土壌汚染の調査が実施されたところ第2区画で汚染が確認。その後、政府が推薦する第三者鑑定機関が調査を実施。その結果、汚染が深刻であると判明し問題化しました。

broken image

この様な有様で関係者はお互いに責任を擦り付け合っていますが、根本的な原因は不動産バブルに乗っかり、環境汚染を無視して不動産開発を進めた結果だと思います。

この企業だけではなくこの事件が呼び水となり、あちこちの開発現場が汚染されているのではないかと疑われ始めるのも時間の問題かもしれません。

broken image