12 月 13 日に開催された会議で下院議員は、 ロシアの「利益を保護する」為にウクライナ占領地でレイプや殺人や強盗が行われたとコミットされた場合、それらの犯罪に対する刑事責任を取り除く法案を第一読会で承認した。
新しい法律はウクライナの占領地で機能すると想定されています。
ロシア弁護士サイトがこんな法案を通すのはおかしいのではないかと警告、この法律案はロシアがウクライナ領土を併合したと宣言した2022年9月30日以前に、ドネツク人民共和国、ルガンスク人民共和国、ザポリージャ、ヘルソン州の占領地域で行われた行為について言及しています。
法律案には以下の様な規定があります。
https://sozd.duma.gov.ru/bill/246425-8 ☜ロシア下院のこの法案のページですが、日本から見られない様に設定がされています。
「ロシア連邦の刑法に基づく犯罪の兆候を含んでいても、ロシア連邦、ドネツク人民共和国、ルガンスク人民共和国、ザポリージャ地方、ヘルソン地方の利益の保護を目的としていた犯罪の場合は、罰せられる事はありません。」
全てを帳消しにする「特殊作戦」
ロシア弁護士サイトはこの法案を以下の様に解説しています。
昨日、国家議会は、法的に驚くべき法案を第一読会で可決した。
その公式な目的は、4つの「併合」された領域におけるロシア刑法と刑事訴訟法の「規定の適用」を規制することである。要するに、まるで「西部劇」かのような、あるいは中世時代のような法体系を確立しようというのです。
この法案の主な規定は、「ロシア連邦の利益を守るため」に行われた犯罪であれば、絶対に起訴を免除するというものだ。
弁護士のミハイル・ベニヤシュ氏は、この規定を「とんでもなく不気味だ」と言う。
「どんな犯罪を犯しても、裁判官が刑事責任を免除してくれる事が判明した。単に「ロシア連邦の利益を守るための行動」だったと言えばなんでも免除される。
これは・・・まず、法律とは関係ない。第二に、腐敗防止策に甚大な影響を与える事になる。第三に、こんな法案を成立させればロシア連邦自身が非常に微妙な立場に置かれる事になる。ロシアという国レベルで「私の利益を守るためならどんな犯罪を犯してもいい、何でも許してやる」と言ってるに等しい。
それは、法の破壊であるとも。
さらに進んで、麻薬取引に関連する犯罪や性的犯罪を許す事もできる。この法案は小児性愛者、テロリスト、麻薬の売人を責任から解放する事を可能にするものであるとまで指摘しています。
ロシアメモリアル人権センターの事務局長アナスタシア・ガリナ弁護士はこう指摘する。
「この法案の条文には、軽微な犯罪の話であるのか？重犯罪の話なのか？どの様な場合で適用されるのか？といった基本的な制限すらありません。もしくは、ロシア連邦とその友好国の「利益を守るため」ならどんな犯罪も許されるのでしょうか？
ロシア連邦の利益の為に子供や女性を拷問をするのか？ロシア連邦の利益の為に強姦するの？ロシア連邦の利益の為のジェノサイドとは？なんて言ったらいいんだろう。
彼女は法律案も説明文も「ロシア連邦の利益のために」という言葉の意味を明確にしていないと強調する。そして「法案作成者の意見では、ロシア連邦の利益は何なのでしょうか？」と疑問を投げかける。
この様にまともなロシアの弁護士はロシア議会の正気を疑い、平たく言うと「これが国か？」と非難しています。
彼等の声にロシア国民は耳を傾けるべきでしょう。ロシア政府はとっくに一線を越えて歯止めが効かなくなっています。
※ロシア連邦における立法権と立法プロセス
第一段階
法案の下院へ提出される。
第二段階
下院における審議。基本的には第一読会から第三読会までの審議を経る。
1）第一読会：法案の骨子、合憲性、緊急性・発効した場合の効果等を審議。☜この法案はココを通過
2）第二読会：より具体的な条項について審議、修正・補足の審議や採択。
3）第三読会：法案全体についての最終審議。この段階で行われる修正は編集上のもののみ。
＊なお、法案が第一読会の時点で可決され、第二、第三読会が行われない場合もある。☜今回のウクライナ民間人へのレイプ・略奪許可法案はこうなる可能性もある。
第三段階
下院における法案の可決。下院議員の過半数により採択。憲法法の場合は下院議員の3分の2の賛成票が必要。
第四段階
上院における承認。
第五段階
プーチンによる法案の承認と署名。