中国政府、米国が飢饉を引き起こすために「昆虫を生物兵器として製造している」と陰謀論を流す 

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中国国営のグローバル・タイムズが現在の世界的な食糧危機は米軍が昆虫を兵器化し、「ライバル国」に意図的に飢饉を引き起こすために送り込んでいる為だと自国の不手際を米軍のせいにしようと陰謀論を拡散しています。

実際は、中国の同盟国ロシアによるウクライナ侵攻での穀物輸出停滞や、中国の無謀なゼロコロナ政策による世界規模のサプライチェーン停滞中国による世界的な穀物の買い占めによるものが大きいのですが、これを誤魔化したい様です。

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グローバル・タイムズ紙は「ロシアとウクライナの紛争が世界的な食糧危機をもたらした」事は認めつつ、ロシアが侵略戦争を起こした事には触れず、本当の食糧危機の原因はウクライナ戦争ではなくInsect Allies programと呼ばれる米軍のプログラムが原因だと主張しています。

Insect Allies programとはダーパDARPA国防高等研究計画局の昆虫を使った農作物を害虫から守る為のプログラムですが、グローバル・タイムズは米国が虫を使って「遺伝子組み換えウイルス」を他国に送り込み、「植物の遺伝子を操作することで作物の成長に影響を与えている」と主張し、米国は海外のバイオ研究所で昆虫を媒介とした生物実験を行い、自然倫理を無視した行為を行ってきたと報道。

「米軍主導の昆虫プロジェクトは兵器化されている恐れがあり、米国のバイオラボに近い「ライバル国(中国ロシア等)」の食糧安全保障を危険に晒すパンドラの箱だ」と見出しを付けています。

中国共産党はウクライナの米国のバイオラボに関するプロパガンダで味をしめた様で、今度はペンタゴンによる昆虫兵器陰謀論を拡散している様です。

こうしたプロパガンダを全世界に発信する根本的な狙いは、中国共産党が隠蔽し世界に拡散させた武漢コロナウイルスに関する調査を阻止し、コロナの起源をアメリカだけのせいにして誤魔化したい願望があるのだと思われます。

グローバル・タイムズ紙の社説は、基本的にネット検索で「Insect Allies program」について批判的な意見を見つけ、それを急遽プロパガンダとしてつなぎ合わせウクライナの米国バイオテロラボデマと組合わせたものに見えます。

しかしながら、中国共産党が見落としている残念な事実がひとつあります。

DARPAの「InsectAllies」プログラムは2021年に終了し、現在は研究が行われていない事です。研究機関中に昆虫兵器を開発したという証拠もありません。

グローバルタイムズはプログラムが終わっている事を調べず米国が飢饉を引き起こすために昆虫の「生物兵器」を他国に送り込んでいるとデマを報道してると言えるでしょう。

また、「InsectAllies」プログラムは乾燥、病気、害虫などから植物を守るために、有益なタンパク質やRNAを植物に運ぶ植物ウイルスの工学的研究を目指している学者にサポートを行い成果を上げています☟

米国国防高等研究計画局(DARPA)が資金提供している「InsectAllies」は、アブラムシやコナジラミなどの昆虫を使って作物にウイルス感染させ、特定の遺伝子を成熟した植物に送り込むことを目指しており、いわば作物の遺伝子治療により作物保護を行おうとした実験でしたが、批判も多く受けていました。

DARPAはこの研究が意図しない生態学的影響を及ぼさないように、何重もの保護がなされていると述べており、このプログラムは植物の生殖細胞は対象としていないため、遺伝的形質にはつながらないだろうとも言っています。

サイエンス誌は「InsectAllies」が生物兵器禁止条約と呼ばれる国際条約に違反すると解釈される可能性があると主張していましたが、カンザス州立大学の植物病理学者で、InsectAlliesプロジェクトの諮問委員であるジェームズ・スタック氏は、サイエンス誌が鳴らした警報は根拠のないものだと指摘しています。

スタック氏は「これはまだ応用の段階ではない。この方法が実行可能かどうかを判断するためのものです。この論文で提起された懸念のレベルが理解できないし、先走ってDARPAがこれを生物兵器を開発するために使っていると非難するのは言語道断だ 」と述べた。

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InsectAllies」により昆虫兵器が出来たという証拠はなく、2021年に終わったプロジェクトですが、グローバルタイムズの報道で見られるあたかも現在進行形で米国が昆虫兵器を開発し世界に拡散して食糧危機を引き起こしているといった刺激的な報道は、事実とかけ離れていても面白いので拡散されがちです。

ウクライナバイオテロラボデマについても同じ事が言えますが、実態とかけ離れた内容が独り歩きする事例が最近散見されますので、それが真実かどうか先に確認する事が重要です。

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中国共産党は未だまともに武漢研究所の調査を行わせない様にしている

世界保健機関(WHO)は、武漢研究所からCovid19が流出したという疑惑について、さらなる調査を推奨している。かつては陰謀論として否定されていたことだが、その後一部の専門家や当局者によって真剣に受け止められている。

以前WHOはコロナの起源を調査するために国際的な専門家グループに依頼し、中国の保健当局と協力して2021年2月に研究報告を発表し、実験室流出説は「極めてありえない」と述べた。

しかし、この報告書は当初から物議を醸し、WHO事務局長のテドロスは発表から3日後の記者会見で、何も否定されておらず、"すべての仮説はオープンなままで、さらなる分析が必要だ "と述べたのである。

数ヶ月にわたる批判の後、テドロス総書記は7月に、「私は研究室で働いたことがあり、研究室の事故は起こるものだ」という理由でこの考えを排除するのは「時期尚早」であったと述べた。

中国は武漢研究所のさらなる調査を要求するWHOの新報告書を必死に非難しています。