スターマー首相にもスキャンダル発覚。

スターマーの政権治的立場を揺るがす選挙における不正資金提供疑惑。

キアー・スターマーを労働党党首に据えるのに役立った数十万ポンドが隠蔽されていた疑惑

Photo Aron Van de Pol

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保守党が確認して公表し、デイリーメールがそれを報道。

労働党のトップ弁護士がキア・スターマー氏の首席補佐官であるモーガン・マクスウィーニー氏に対し、「隠された」寄付74万ポンドについて「事務的な誤り(admin error)」と説明するよう助言していた事が、流出したメールにより明らかになりました。

この暴露メールは、マクスウィーニー氏のシンクタンクが、未申告の寄付に関する選挙法違反20件で2021年に罰金処分を受けた、悪名高い一件に新たにスポットを当てるものです。

弁護士からのメールは、マクスウィーニー氏に対し、労働党系シンクタンク「Labour Together」への総額739,492ポンドの寄付について、報告義務がないと助言されたとする同氏の根拠に乏しい主張を撤回するよう勧めています。証拠を伴わないままでは、同問題を調査中の選挙委員会(Electoral Commission)を刺激しかねないと警告していました。

その上で、当該事案を単純な「事務的ミス」として処理するよう促していました。

このメールはデイリーメールが確認し、火曜日の夜、保守党が全文を公表。保守党は警察による捜査を強く求め、追及の手を強めています。

保守党のケビン・ホリンドレイク党主席は次のように述べました。
「証拠は明白だ――モーガン・マクスウィーニーは、キア・スターマーを労働党の党首に押し上げるのに役立った数十万ポンドの資金を隠していたところを、現行犯で見つかった。
政府の中枢を揺るがすこの最新スキャンダルは極めて深刻で、刑事事件に発展しうる。しかしキア・スターマーは首席補佐官への全面的な信任を表明した。これは彼の判断の甘さを改めて示し、誠実さと正直さに重大な疑問を投げかけるものだ。
“何も問題はない”と言わんばかりのキアは、マンデルソン—エプスタイン問題の時のように、この件もやり過ごせると思っているのかもしれない。あるいは、彼に考えを吹き込む首席補佐官を解任するだけの胆力がないのかもしれない。だが我々保守党は、真相を究明するまで戦い続ける。そのため、選挙委員会と警察に対し、速やかな捜査を求める。」

首相の右腕であり、労働党の歴史的大勝の立役者であるマクスウィーニー氏は、党の厳しい世論調査結果を受け、労働党議員の間で不満が高まるなか危機に直面しています。

また同氏は、性的犯罪で有罪判決を受けたジェフリー・エプスタインを擁護した過去のあるマンデルソン卿を駐米大使に起用するようスターマー氏に進言したとして、近頃強い批判を浴びています。

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今回の新事実は、労働党が封印しようとしてきた論争を再燃させかねません。

2021年9月、選挙委員会は「Labour Together」による20件以上の寄付に関する法令違反を認定し、同シンクタンクに14,250ポンドの罰金を科しました。

監督当局は2017年の時点で、寄付は30日以内に申告しなければならないと、マクスウィーニー氏に明確に伝えていました。

しかし2018年から2020年7月までに「Labour Together」への多くの寄付は、同氏が同年に組織を離れるまで申告されていませんでした。

新たに明らかになった法的助言は、未申告が「人的ミスや事務上の見落とし」によるものだとする「Labour Together」の公的説明や、可能な限り「公開性と透明性」を確保してきたとする主張と矛盾しているように見えます。

マクスウィーニー氏は2017年にディレクターに就任した当初は、同団体への寄付を申告していました。しかし2018年初頭以降、トニー・ブレアの友人であるユダヤ人実業家トレヴァー・チンからの1万2,500ポンドの寄付を除き、申告を停止。

同氏が労働党の新党首となったスターマー氏の下で働く為に組織を離れた後、新たに就任したハンナ・オルーク氏が、ほぼ3年分、総額73万9,000ポンドの未申告寄付を発見し、選挙委員会に「遅延」申告を相次いで行いました。

この流出メールは、2021年2月にマクスウィーニー氏宛てに、労働党の顧問弁護士を自称するジェラルド・シャマッシュ氏から送られたものです。

シャマッシュ氏は、未申告の規模を踏まえると「Labour Togetherがこの状況に陥ったことを簡単に説明する術はない」と記しています。

同氏は、宣伝を最小限に抑えられる「行政上のペナルティ」に選挙委員会を誘導しようとしていると述べています。

マクスウィーニー氏は2018年初頭の電話で、選挙委員会から「シンクタンクの寄付は申告不要」と助言されたと主張しているようですが、シャマッシュ氏は、監督当局にも「Labour Together」にも、その通話記録がないと警告。

同氏は、当該通話の証拠、そして過去に選挙委員会から受けていた助言をなぜ無視できると考えたのかについて説明できない限り、違反は事務的ミスの結果だったと主張するほかないかもしれないと。

シャマッシュ氏は、選挙委員会には「Labour Together」との通話記録はいくつかあるが、「あなた(マクスウィーニー氏)との通話記録はない」と述べています。

そして次のように結んでいます。
「もしLabour Togetherが、私の質問に実質的に対処できないのであれば、未申告の理由は事務的ミスであったという点に、我々の主張を絞るのが最善かもしれない。」

この暴露により、同シンクタンクがスターマー氏を支援していた時期に、なぜマクスウィーニー氏が数十万ポンド規模の寄付を隠す決断をしたのか、その説明を求める圧力が一段と高まっています。

首相の伝記によれば、マクスウィーニー氏は2019年夏には既にスターマー氏に助言を行い、数十万ポンド規模の世論調査データの利用を提案していたとされます(当時は2019年総選挙前)。スターマー政権は同氏の「Labour Together」在籍時期についての質問への回答を拒否しています。

スターマー政権も石破政権の様にそろそろ終わるかもしれませんね。