現在世界の株式市場で最も警戒されている米国債長期利回りについて

日経下落の直接要因です

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日本がシルバーウイークで休みの間、快調に上昇していた米国相場ですが連休明け直前で全面安に。(なんというタイミングの悪さ)

連休明け直前の米国株全面安の最大の原因は、米長期国債利回り急上昇による株価下落です。この流れが今も続いています。

米国債10年物利回りは2006年の戻り高値5.275%に達しています。ここを上抜けると流石にまずいです。

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ここを上抜けてしまうと6%へ向かう事になり、そこまで行けば日米株は反落を強めます。

GSの米長期金利利回り上昇についての分析

GSは金利(特に実質金利)が急激に上昇しているため、現在は耐えている株式市場も、いずれその悪影響を無視できなくなる可能性があるので警戒しようと言っています。

今日参考にするのはゴールドマン・サックスのリッチ・プリヴォロツキー氏による9月28日付のウィークリーノートです。

テーマは「AIの実装加速」対「金利上昇」の綱引き。

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エネルギー情勢

週末にイラン関連の進展はなし。トランプ氏はイラン側が提案した「7日間の停戦+ホルムズ海峡再開」案を拒否しましたが、今週も協議は続く見通しです。

原油はやや上昇、金利は引き続き圧迫されています。

一部では「実際にはホルムズ海峡経由の原油供給はもっと回復している」との見方もあり、サウジの原油輸出は大きく戻っているものの、精製品(ガソリン・ディーゼルなど)側の逼迫が続いているとの事。進展の兆しはあるが、まだ「解決」とは言えない状況です。

金利 vs 大型ハイテク株

ここが今回の核心です。短期金利(中央銀行の政策金利の動きに最も強く連動)は多シグマ級(数年に一度、あるいは歴史上めったに起きないレベルの、あり得ないほどの大暴落)の急落が続き、金利のボラティリティは高止まり、原油のボラティリティも依然大きな不確実性を織り込んでいます。

それにも関わらず、株式全体のボラティリティは驚くほど落ち着いています。

その裏側にあるのが極端な分散(ディスパージョン)です。S&P500構成銘柄のうち、50日移動平均線を上回っているのは僅か25〜30%程度しかありません。

つまり、指数自体は堅調に見えても、実態は「大型ハイテク・AI関連銘柄だけが指数を支えていて、それ以外の大半は弱い」という状態です。

GSプリヴォロツキー氏は相場を支えているAIの値動きについて依然として強気で、コンピュート需要の上振れが続くとみていますが、AIの追い風圏外では金利がいたるところで痛みを与え始めていると認めています。(小売りやメディカル分野などに金利上昇の悪影響が顕著に出始めていると言っています)

この状態が解消されるには「原油問題を解決すれば金利が助かり、金利が落ち着けば株式市場全体のより広い回復が解放される」という構図が必要です。

プリヴォロツキー氏は相場が好転する材料として、アメリカとイランの協議は続いており、実際には見た目以上に原油が流通している事、ISMのハードルが高い事、FRBのメッセージが市場の織り込みより穏健になる可能性、DevDayが新たな好材料になり得る事、季節性も追い風に転じつつある事など、前向き材料を挙げています。

逆に言えばAI半導体銘柄が崩れれば全面安となります。

現在の米長期国債利回り上昇から見られる問題点も挙げられています。

金利上昇の「速度」が問題。金利の水準自体よりもその変化のスピードが株式市場心理を揺さぶり始めています。実質金利の1ヶ月変動幅は2013年以来のレベル。

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ここ数ヶ月の上昇スピードが異常。

株式ボラティリティ vs 債券ボラティリティ

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VIX指標(15.81)はまだ落ち着いているのに、債券ボラティリティ(16.68)だけが急上昇し、両者が逆方向に乖離しています。通常この2つは連動しますが、「株はまだ怖がっていないのに、金利市場だけがすでに悲鳴を上げている」という不整合が示されています。

※VIXは「株式市場の恐怖指数」と呼ばれます。通常、20を超えると市場がパニックになり始めていると判断されますが、現在は15.81と低く、株式投資家達は「まだ大丈夫、市場は平和だ」と楽観視しています。

※債券ボラティリティ(116.68)=「金利」の恐怖心は爆発している
債券(金利)の世界にも「MOVE指数」といった独自の恐怖指数があります。これが急上昇しているということは、金利を取引しているプロ達が「今の値動きは異常だ、先が全く読めない」と悲鳴を上げている事を意味します。

この「不整合」が意味するこれからのリスク

今の状況は、車に例えると「エンジン(金利)から煙が吹き出て異音がしているのに、運転手(株)は音楽をかけて笑顔でアクセルを踏み続けている」ような状態です。
この状態が長く続く事はありません。近いうちに次のどちらかの形で決着がつきます。

最悪のシナリオ(株の遅れての降伏)
金利市場の警告が正しく、ついに株式市場も「あ、やっぱりマズイんだ」と気づき、株価が急激に恐怖を織り込んで大暴落する。
楽観的なシナリオ(金利の勘違い)
金利市場が騒ぎすぎだっただけで、経済は意外としっかりしており、金利のパニックが収まって株の楽観論が正しかった事になる。

長期金利利回りに影響を与える肝心のエネルギー(原油)情勢について

週末にイラン関連の進展はなし。トランプ氏はイラン側が提案した「7日間の停戦+ホルムズ海峡再開」案を拒否しましたが、今週も協議は続く見通しです。

一部では「実際にはホルムズ海峡経由の原油供給はもっと回復している」との見方もあり、サウジの原油輸出は大きく戻っているものの、精製品(ガソリン・ディーゼルなど)側の逼迫が続いているとのことです。進展の兆しはあるが、まだ「解決」とは言えない状況です。

WTI

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相場を支えるAI関連ニュース

プリヴォロツキー氏が注目しているのは、METAのAIエージェントの「Muse」の採用が広がり続けるか、そして「常時稼働型エージェント」がどれだけ早く本格的な製品カテゴリーになるかという点です。

マイクロソフトが金曜日にひっそり発表した「Copilot Autopilot」についても注目していて、これはユーザーが操作していない間も自律的に動き続ける、持続的・能動的なエージェントであり、ユーザーが都度チャットで指示するモデルから企業システムに常駐するエージェント処理を組み込むモデルへの転換を意味します。

Museはその最初の例に過ぎず、マイクロソフトに続きOpenAIも明日言及する可能性が高く、いずれ主要ソフトウェア企業はすべて自社版を持つようになる、と予想されています。そして常時稼働のエージェントは、常に計算資源(コンピュート)に飢えているという点が、AI半導体需要への含意です。

META

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Microsoft

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日経・日本株への影響

7月の日経の信用取引投げ売り(72,366→65,000割れ)は、まさに米半導体株の弱さが引き金でした。今回、実質金利のスピード上昇が続けば、NVDA・AVGO・MU・AMD・ASML等の米AI半導体複合体が再び売られ、その流れが日本のAI半導体銘柄に更に強く波及するリスクは高いです。

日経平均

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キオクシア

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