スーダンで大規模な内戦が勃発

 

民間人も多数死亡しており、日本政府は在留邦人の救出の為に、自衛隊機派遣の準備開始

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スーダンで土曜日に、国軍と準軍事組織「高速支援部隊(RSF)」との間で戦闘が開始。

スーダンの首都ハルツームの住民は、正規軍と準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」の間で激しい戦闘が続いており、死者、負傷者が多数出ていると言っています。

住民はCNNに、月曜日の早朝から迫撃砲や大砲の音が聞こえ、ハルツーム国際空港とスーダン軍の駐屯地の方向で戦闘が激化したと証言。

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スーダンで何が起きているのか?紛争の起きた経緯

軍事衝突は、スーダン軍事政権の2つの主要な派閥争いです。

スーダン軍は、事実上の支配者であるアブデル・ファタハ・アル・ブルハン元大統領に従い、民兵の集合体である即応支援部隊(RSF)は、ヘメディとして知られるモハメド・ハムダン・ダガロ元大統領に従っています。

両者の権力闘争のルーツは、2019年のクーデターで追放された独裁者オマル・アル・バシルが作りました。

独裁者オマル・アル・バシルは追放されるまでの数年間、強大な治安部隊を作り上げ、国軍と意図的に対立させてきた。

バシル政権崩壊後、民主的な文民主導の政府への移行が行われていましたが頓挫。派閥争いとなりました。

軍事的な対立はどのようにして生まれたのでしょうか?

即応支援部隊RSFは、20年以上前にスーダン政府から政治的・経済的に疎外されていた地元住民が起こした反乱を鎮圧する為に設立されました。RSFはジャンジャウィードという名前でも知られ、広範な残虐行為を行う事で有名な組織に成長。

2013年、独裁者オマル・アル・バシル即応支援部隊RSFを準軍事組織に変え、その指導者に軍籍を与えた後、南ダルフールでの反乱鎮圧に投入し、さらにイエメン、後のリビアでの戦争に派遣しています。

モハメド・ハムダン・ダガロ元大統領率いるRSFとアブデル・ファタハ・アル・ブルハン元大統領率いる正規軍は、2019年に独裁者オマル・アル・バシルを追放する為に協力しました。その後、RSFはハルツームの軍司令部前で行われていた平和的なデモを弾圧し、数百人を殺害、数十人を強姦しています。ろくでもない反社組織です。

独裁者の追放後、バシルに対する抗議行動を主導した民間人との権力協定により、民主的な政府への移行がもたらされる筈でしたが、2021年10月のクーデターにより中断されています。

クーデターによりスーダン軍は再び指揮を執る事になったが、毎週のデモ、国内での孤立、経済的苦境の深化に直面しました。即応支援部隊(RSF)を従えるモハメド・ハムダン・ダガロ元大統領は、新たな政権移行計画の背後で陰謀を巡らし、国軍を従えるブルハンとの緊張関係を表面化させました。

即応支援部隊(RSF)を従えるモハメド・ハムダン・ダガロ元大統領は、違法鉱山からの金の輸出で得た莫大な富を持ち、何万人もの戦いに慣れた退役軍人を率いています。彼は長い間、スーダンの統治評議会の公式副議長という立場に不満を抱いてきました。

クーデーター後の緊張の原因は、モハメド・ハムダン・ダガロ元大統領率いる反社組織、即応支援部隊(RSF)の正規軍への統合を求める市民の声だったとの事。

市民はまた、農業、貿易、その他の産業における有利な軍保有資産の民間への引き渡しを求めました。これは、しばしば地域の民兵に軍事行動を委託してきた軍にとって重要なリソースでした。

もう一つの争点は、2003年からのダルフール紛争2003年から始まったスーダン政府軍とアラブ系住民によるスーダン西部の非アラブ系住民への集団虐殺。最悪の人道危機ともいわれています)における軍とその協力者による戦争犯罪に対する裁きの追求です。国際刑事裁判所は、バシルをはじめとするスーダンジェノサイドの容疑者の裁判を求めています。

また、2019年6月に起きた民主化運動参加者の殺害事件についても、軍部が関与しているとされ、裁かれる事が求められています。活動家や市民団体は、正式な捜査の遅れに怒りを覚えています。さらに、2021年のクーデター以降の抗議活動で治安部隊に殺害された少なくとも125人に対する裁きも求めています。

スーダンは、紅海、サヘル地域、アフリカの角と接する不安定な地域にあり、その戦略的立地と農業の豊かさは、他国勢力も引き寄せ、文民主導の政府への移行が成功する可能性を困難にしています。

ロシア、米国、サウジアラビア、アラブ首長国連邦などの大国がスーダンへの影響力を巡って争うなど、地政学的な側面も大きいとの事。

この様な状況の中、派閥争いがエスカレートし内戦状態となりました。

日本政府は19日、スーダンで政府系の準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」と正規軍が衝突し、多数の死傷者が出ていることを受け、現地邦人の退避に向けて、自衛隊機の派遣準備を開始。

現地に滞在する大使館員を含め63人を救出します。

衝突の激化で直接のスーダン入りは困難な為、日本政府はスーダンの東側に位置し、自衛隊が海賊対処活動の拠点を置くジブチに輸送機をいったん派遣し、待機させる検討に入った様です。