
竹中氏の住民税を払っていない疑惑 (週刊ポスト、2001年8月17日)
竹中氏は以前、同僚たちにいかにも得意げにこんなふうに語っていたことがわかった。 「知ってる?『1月1日』に日本にいなければ、住民税は請求されない、つまり払わなくていいんだ。
だから毎年暮れに住民票を海外に移し、年を越してから戻ってくれば効果的かつ合法的な節税になるよ。」
一橋大学を卒業して旧開銀に入行した竹中氏は、大蔵省への出向を経て大阪学助教授に就任、その後、89年にハーバード大学客員準教授として教鞭をとった。 開銀時代の1年間の米国での研究生活を別にすると、この時から米国と日本を行き来する生活が始まっている。
竹中氏の住民票移動の記録を追うと、ハーバード大準教授時代の89年7月に住民票を米国に移し、翌90年4月、慶応大学総合政策学部助教授に就くと東京・港区に転居した。以後、96年に教授に昇格するまで毎年のように住民票を日米間で小刻みに移した。
>> ■89年7月(↑米国に転居)
>> ■90年4月(↓東京・港区)
>> ■92年7月(↑米国)
>> ■94年6月(↓神奈川県藤沢市)
>> ■同年10月(↑米国)
>> ■95年5月(↓藤沢市)
>> ■同年11月(↑米国)
>> ■96年3月(↓藤沢市)
>>
――という具合に、慶大助教授になってからは、93年、94年、95年、96年の4年間にわたって、「1月1日」は判で押したように米国に居住していることになっている。
実は、竹中氏の≪節税理論≫にあるように、この『1月1日』というのが徴税事務の上で重要な基準日なのだ。 市民税、都道府県民税などの地方税は、毎年1月1日の時点で住民登録している住民に対して、その自治体が徴収することが前提となっている。
では、その1月1日に日本にいなければどうなるか。 東京都下のある自治体の税務職員がこう語る。
「われわれは1月1日の住民登録に基づいて徴税しているので、極端な話、その日だけ住民票を外国に移されると、捕捉できない。 結果的に住民税の請求はなされない」
しかも、そうしたケースは脱税にもあたらないという。
どういう話か簡単に言えば、「日本に住んでいたとしても、毎年1月1日時点で住民票が日本にない(海外にある)場合、その年の住民税が課税されない」という仕組みを利用した『節税』の話です。
具体的には住民税は、毎年1月1日にどこの自治体に住民登録があるかで、その年の課税自治体や課税有無が決まるそうです。
1月1日に住民票が海外にある場合、日本の自治体はその年の住民税を課税できない。従って、年末に住民票だけを海外に移し、1月1日をまたいで日本に戻す事で、住民税の支払いを合法的に回避(少なくとも請求されない)できるとこの時は判断されていました。
その為、1月1日に日本国内に住民票がなければ、その年の住民税が課せられません。海外赴任などで1月1日に海外住所になっていると、本当に日本に住んでいた実態があっても課税は技術的にできない(住民票が出ていないから)という抜け道があったとの事。
この方法は税法上「脱税」には当たらないが、実態としては課税逃れ(節税)になっています。
竹中氏は、実際にこれを何度も使っていたようです。
毎年1月1日に合わせて住民票を米国に移し、日本ではその期間住民税を払わない、という行動を繰り返していました。
このフライデーの報道に対して竹中平蔵は損害賠償請求訴訟を起こしていました。
結果は竹中平蔵が勝訴していますが、弁護士は疑惑の判決だと訴えています。
竹中平蔵氏(経済財政担当大臣)の住民税脱税疑惑報道をめぐる、本誌504号(2003年10月号)で紹介した損害賠償等請求訴訟について、裁判所の税法および税法学への認識の不十分さから、被告のフライデー側が敗訴となった(原告は竹中平蔵氏)。2004年9月14日東京地裁判決がそれである。本件名誉毀損事件は、竹中平蔵氏の本件住民票抹消行為が住民税脱税犯における偽計行為に該当するという事実を税法学的に証明すれば、他の問題を論ずる必要のない事案である。この事実を立証するための被告代理人の「人証」の申立てにも関わらず、裁判所はこの点について全く証拠調べをしようとはしなかった。
竹中氏は減税すべきだと言ったり、減税しても意味がないと言ってみたり、フラフラされてるからこの様な過去の疑惑を掘り返され追及されるんですよ。