現在イランでは経済の悪化による国内の混乱が激しさを増しています。
イランの通貨「リアル」の暴落や物価の高騰により国民の生活が苦しくなり、それに抗議するデモがが激化し、デモ隊と治安部隊の衝突により死傷者や逮捕者が多数出ており、国内の治安が極めて不安定に。
ここでは最新のイランの様子をチェックします。

ハメネイはデモが制御不可能になった際にモスクワへ脱出するプランBを考えてますと。
☟こちらは2025年12月28日から2026年1月6日の間にイラン全土で発生した抗議デモの様子を示す地図ですが、ISW(Institute for the Study of War)とCT(Critical Threats)が作成したこの地図は、広範囲にわたる抗議活動の地理的な広がりを示しています。

2025年12月28日から2026年1月6日までの間に、イランの24州で合計369件の抗議デモが記録されました。主な都市: テヘラン、マシュハド、エスファハーン、タブリーズ、ケルマーンシャーなどの主要都市や州で抗議活動が集中しています。

こうしたイラン全土で抗議活動が続いてる状況の中で、米国・イスラエルがこの混乱に乗じて何か仕掛けてくるかもしれないという警戒も強まっています。
1月6日、イラン国防評議会(Defense Council)が、米国やイスラエルの“介入”や“脅し”が強まっていると非難し、イランは相手が動いてから反応するだけではなく、「脅威の兆候」があれば先に手を打つ可能性がある、という趣旨の警告を出しました。
背景として、トランプ大統領が1月2日に「イランで治安部隊が抗議者を撃つ/殺すような事があれば米国が介入し得る」と警告したので、イラン側はそれを“内政への干渉の示唆”として受け止め警戒しています。
この件についてロイターに語った当局者は、抗議への対応と米国の圧力の間で政権の選択肢が狭まり、どの道もリスクが高いと感じている、としています。国内が揺れている時期に国外から圧力が来ることを恐れており、心理戦と実際の軍事行動の境目が曖昧になっている、という危機感が語られています。
こうした状況を打開しようと、イラン政府は大規模デモの原因の経済悪化を和らげようと、減税とバラマキを提案。
抗議の一因が生活苦や物価高だと想定される為、政権は不満を和らげる目的で、賃上げや補助金の拡充を盛り込んだ予算を進めています。1月5日に国会が承認した2026〜2027年度予算案では、公務員給与の引き上げ幅を従来案の20%から最大43%に引き上げ、付加価値税(VAT)を10%に据え置き、卵・食用油・赤身肉などの生活必需品購入向けに約88億ドル相当の補助付きクレジットを用意するとしています。
元々の案の20%賃上げは、インフレ率(約42%)に追いつかず不十分だという批判があった為、増額した形です。ただし、補助は1人あたり月7ドル程度を4か月、という内容で、平均月収が約200ドルとされる中では金額が小さく、SNS上では「焼け石に水だ」と非難されています。
西部イーラーム州にあるアブダーナーンとマレクシャーヒーという2つの都市が、実質的にデモ隊によって制圧されたという情報があります。
現地では人々が「ハメネイ(最高指導者)に死を」と叫びながら勝利を祝っており、反体制派組織(NCRI))は、治安部隊が恐怖を感じて撤退したと主張しています。
また、デモ参加者達はアメリカのトランプ大統領に直接助けを求めており、「トランプは平和の象徴だ。私たちが殺されるのを放置しないで」と書かれた看板を掲げる女性の姿がSNSで拡散されています。
事態は暴力を伴う深刻なものとなっており、これまでに少なくとも29人が死亡、1200人以上が逮捕されたと報じられています。
人権団体によれば、治安部隊は散弾銃や催涙ガスを使用し、更には負傷者が運び込まれた病院内にも催涙ガスを撃ち込むなど、国際法に違反するような強硬手段で鎮圧を図っていますが、デモやストライキは数十の都市に広がり続けています。