
去年2025年10月9日にCSISが指摘した内容です。
去年、トランプ関税への報復として中国はレアアースおよび永久磁石の輸出制限を拡大したと発表。中国商務部の「公告2025年第61号」は、これまでで最も厳格なレアアースおよび永久磁石の輸出管理を実施するものであるとされ、米国への圧力としてレアアースが活用されました。
発表された措置の下では、中国原産のレアアース材料を微量でも含む磁石、または中国の採掘・精錬(処理)・磁石製造技術を用いて生産された磁石を輸出するには、外国企業は中国政府の承認を得る事が求められる事となり、新たな許可(ライセンス)枠組みは、外国で生産されたレアアース磁石および、少なくとも0.1%の中国産重希土類元素を含む一部の半導体材料に適用されるとされていました。
中国はレアアース採掘の約70%、分離・精錬の90%、磁石製造の93%を占めるので厄介です。
新たな制限は防衛産業および半導体産業にとって何を意味するのか。
レアアースは、F-35戦闘機、バージニア級・コロンビア級潜水艦、トマホーク・ミサイル、レーダーシステム、プレデター無人航空機(UAV)、JDAM(統合直接攻撃弾)シリーズの精密誘導爆弾など、様々な防衛技術に不可欠。
去年の米国へのレアアース輸出規制は、防衛分野を標的とする措置としてこれまでで最も重大なものでした。新ルールの下では、2025年12月1日から、米国を含む外国軍と何らかの関係を持つ企業は、輸出許可を原則として付与されないとされていました。商務部はまた、軍事目的でレアアースを使用する申請は自動的に却下されると明確にしており、中国原産のレアアースや関連技術が外国の防衛サプライチェーンに直接・間接に貢献することを阻止する狙いがある様です。
これら最新措置以前から、米国の防衛産業基盤は深刻な課題を抱え、生産能力は限られ、増大する防衛技術需要に応じて急速に増産する力も限定的でした。新たな制限はこうした脆弱性を更に深め、能力ギャップを拡大させ、インド太平洋地域で緊張が高まる中、中国が米国より速いペースで軍事力を拡大する事を可能にします。
更に、14ナノメートル未満の先端半導体、次世代メモリーチップ、半導体の製造・検査装置など、高度技術に使用されるレアアース材料についての輸出許可申請は、中国当局によるケース・バイ・ケース審査の対象となるとされました。
企業は、エンドユーザー、技術仕様、用途などに関する詳細資料の提出を求められる可能性が高く、個別審査プロセスは、中国当局に大きな裁量を与え、輸出の遅延、拒否、条件付けを可能にします。結果として、先端計算および防衛技術に不可欠なレアアース投入材の世界供給に対して、新たな戦略的統制の層を導入する事になります。
これらの制限は、中国が以前に行ってきたレアアース輸出管理をどのように発展させているのか。
今回の新措置は、レアアース分野での支配力を武器化するという北京の長年の戦略を大きくエスカレートさせるものでした。中国は2023年12月21日に、レアアースの採掘および分離(精錬)技術の禁止を発表。2025年4月4日には、トランプ大統領が導入した対中関税への報復として、7種類のレアアース元素に対する輸出規制を導入しました。
2025年7月、こうした状況に対処する為に国防総省はMP Materialsに対し4億ドルの株式投資を行い、米政府は同社の最大株主となりました。
この取引には、MP MaterialsのNdPr(ネオジム・プラセオジム)製品について、1キログラムあたり110ドルの10年間の価格下限を保証するコミットメントも含まれます。これは、中国の過剰生産による低価格の中でも同社の事業採算性を守る為のものです。
更に、カリフォルニア州マウンテンパス施設の拡張に向けて1億5000万ドルの融資を行い、重希土類の分離能力を追加して国内処理能力を強化しています。
MP Materialsはまた、2つ目の米国内磁石製造施設である「10X Facility」を建設する計画を発表し。国防総省は同施設の磁石生産量の100%について10年間のオフテイク契約を締結しています。
これらの能力が立ち上がるには時間を要し、それまでは、中国は国家および経済の安全保障に不可欠なサプライチェーンに対して相当な影響力を保持し続けます。
日本もこうした中国政府によるレアアースの武器化に対策する為に、今日から南鳥島でレアアース泥採鉱試験を行います。

