リビア・地中海の嵐ダニエルに晒されダムが決壊。それにより起こった洪水でリビアの都市の4分の1が消失、数千人が死亡

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https://youtu.be/SloqB7dPE0s?si=AoulZZrVdCitjzGO

リビアに暴風雨ダニエルが上陸し、ダムを決壊させ、洪水を起こしました。

これにより、数千人が死亡、少なくとも1万人が行方不明となっていると報道されています。

東部の沿岸都市デルナの4分の1ほどが消滅する程の、凄まじい被害だった様です。

死者は2,000人を超え、地元テレビは5,000人以上になると推定。

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デルナの町拡大です⇩

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9月9日と10日の週末、暴風雨ダニエルはリビア北部で短時間に集中豪雨をもたらし、大洪水を発生させました。

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ダニエルによりデルナ市の周囲にある2つのダムが決壊しました。

https://youtu.be/rKn4xgauxAQ?si=qZh6sLewkVtRIXNH

https://youtu.be/CZULOTX4Zqc?si=I-RjMEEysU71f0V1

 

ダム崩壊による洪水前と後

災害前⇩

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災害後⇩

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土砂を巻き込んだ洪水が広範囲にわたり街を破壊した様子が良く分かります。

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流入状況⇩

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被害をもたらした二つのダム、アル・ビラド・ダムとアブ・マンスール・ダム

被害の大きさから、これは降雨による河川の氾濫をはるかに超えるものであったことは間違いなく、非難の矛先はデルナの上流にある2つのダムに向けられている様です。

アル・ビラド・ダム 32.658, 22.578

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拡大します⇩

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このダムは1941 年、1959 年、1968年にデルナを大規模な洪水が襲ったので、それらの対策の為に作られたものとされています。

ダムは 1970 年代にユーゴスラビアの会社によって建設され、上流のアル・ビラド・ダムの貯水量は150万立方メートル、下部ダムのアブ・マンスール・ダムの貯水量は2250万立方メートルだったとガーディアンなどで報道されています。

 

施行会社について調べてみた所、Hidrotehnika Hidroenergetというセルビア(1970年代当時はユーゴ)の企業でした。

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オフィスはセルビアのベオグラードにあります。

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今回崩壊したリビアのダムについても施工実績としてホームページに記載がありましたのでお見せします。

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崩壊する前に撮影されたアル・ビラド・ダムの様子

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ドローン映像。こちらが一番規模感が分かり易いです。

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https://x.com/rashidalmethen/status/1702055587192676721?s=20

決壊後⇩

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この方はフィルダムと仰ってます。

※フィルダム参考⇩

宮城県加美郡宮崎町に建設される中心遮水ゾーン型ロックフィルダムの二ッ石ダム

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http://damnet.or.jp/cgi-bin/binranB/TPage.cgi?id=63&p=1

 

もうひとつは市街地から約1キロの位置(32.752, 22.631)にある下流のアブ・マンスール・ダムです。

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二つ目のダム、アブ マンスール ダムは市の中心部から南に約 1 km のところにあり、最初のダムから南に13 kmのところにありました。

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https://x.com/aljuaidifarhan/status/1701519862185570548?s=20

 

約 2,250 万立方メートルの容量を持つ大きなダムですが、リビアメディアは「これまで人生を通じて、貯水容量が大きいこのダムが満水になるのを見たことはなかった。」と報道しています。

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2つのダムの建設により、人命と財産に多大な損失をもたらしていたデルナの洪水問題は終結しましたが、今回の洪水で破壊され、この都市の歴史の中で最も深刻で、破壊的で痛みを伴うものとなったと。

 

リビアメディアによる2つのダムが崩壊した事についての記載

(1) 谷の流域に 24 時間以内に降った雨の量は 200 mm を超え、これは流域が 1 億 1,500 万立方メートル以上の水を受けた事を意味し、これはダムの容量をはるかに上回る雨量で、過去最高レベルの降水量でした。

(2) 過去 50 年間、2つのダムの存在は人々に安心感をもたらし、いつしか災害の記憶を忘れさせ、本来なら建設してはならない谷のほとりが道路や建物で溢れかえるようになっていました。

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上流のアル・ビラド・ダムが押し流されて崩壊し、そのダムの水が水路の水と混ざって下流のマンスール・ダムを圧倒。その後下部ダムが壊滅的に崩壊し、その先にあった市街地のの4分の1を押し流したと。

下部ダムが市街地のわずか1km上流に位置していたことも激しい被害を生んだ一因でした。

こんな短い距離なので、洪水の勢いが衰える事なく、デルナは激流の影響をまともに受けました。

現在、災害の原因を解明する作業が進んでいます。ダニエルに伴う降雨量が極端であったことは明らかで、200mmを超えたと報告されています。総雨量200mm超えはデルナのダムの設計容量を超えた可能性があるとの事です。

また、ダムのメンテナンスが不十分だったのではないかという指摘もあります。2つのダムは築50年なので、その間のメンテナンスは行われていたのかという非難です。

 

このダムが暴風雨に襲われている際のツイート。

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何故、これほどまでの死者が出たのか?

ワシントンポストの解説がしっくりきます。

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理由は、通常は用意されている早期警報システムがデルナには無かったから。インフラ整備が遅れたのは、ジハード主義者が内戦を起こしこの街を占領してから、これと言った対策をしていなかったのが原因。

この地域で洪水が起こるのは異例で、北アフリカで今回の災害に比類する致命的な被害をもたらした洪水は1927 年のアルジェリアの事例になります。

この地域では通常、道路や橋はこのレベルの災害に耐えるように建設されていません。

特にデルナは自然災害への対策が未熟です。2018年から2019年にかけて行われた戦闘(イスラム過激派から市を奪還した)のダメージもまだ残り、インフラは修復も再構築も出来ていませんでした。

「本来なら住民に避難するよう警告できる、強力な早期警報システムが導入されている筈です」

当局にも責任があり、ダム決壊の危険性について人々に適切に伝えられていなかった事も原因のひとつの様です。