台湾の歩兵訓練司令部大佐が中国から賄賂を受け取り台湾当局に起訴されましたが、氷山の一角だったようです。

 

他にも国を裏切った台湾軍幹部が多数いる可能性も

 

2022.11.25

· China News
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11月22日、金門島の台湾陸軍歩兵訓練司令部戦闘研究開発室長の向德恩大佐は、高雄地方検察庁により国家安全法、銀行法、腐敗防止条例違反の罪で起訴され、懲役12年が求刑されました。

彼は中国当局から月給4万台湾ドル(約18万円)を受け取っており、中国と台湾の戦争が始まった際には北京に降伏すると約束。合計56万台湾ドル(252万円)を不法に得ていました。

高雄地検の調査によると、向德恩氏は陸軍第564機甲旅団大佐兼副団長の任期中に、中国のスパイとして活動していた台湾人邵维强にリクルートされました。

2019年には北京への投降誓約書にサインまでしていた事が判明しています。 それ以来「老張」という偽名でスパイとして活躍していたとの事。

金門島は中国本土と2.1kmしか離れておらず、対中国の最前線です。
それだけ中国本土からの工作が激しいのでしょう。

しかし、更に衝撃的な事が判明しました。中国のリクルーター邵维强の手帳から「複数の台湾の高官を寝返らせ中国のスパイに育成していた」事が分かったのです。

邵维强が逮捕・拘束された後、彼と接触した多くの台湾軍幹部の情報が消去され、今回話題となっている向德恩大佐は元妻の携帯電話の情報が消去されていなかった為、起訴出来たに過ぎません。

だから彼は捕まった後、「降伏の誓約書にサインしたのは俺だけじゃない、他の上級士官が全員サインした後に俺がサインしたんだ」と言っている様です。

https://www.wenxuecity.com/news/2022/11/23/11977657.html

こうした他の上級士官として挙げられているのは、殆どが現役の軍人であり、台湾の軍事に関する秘密を握っている現役の軍高官と推測されています。

中国の台湾軍への浸透工作を行っていた邵维强は金門市金城鎮の出身で、台湾軍を中尉で退役した後、1993年に金門に戻り地元メディアの記者として働いていました。

邵氏は金門に人脈があり、台湾と中国本土を頻繁に行き来し、ジャーナリストグループの代表として中国本土を訪問していた事もあるとの事。

メディア関係者が中国による台湾でのスパイ育成に一役買っていたというわけです。とても他人事には思えませんよね。

邵氏は1993年に中国テレビ会社に入社し、退職するまで記者として務めます。

表の顔では中台友好の番組制作などをしており、「人は先入観を持ってはいけない。ニュースにはまず「色」があってはいけない。それはもう「ニュース」ではない」等と語っていました。

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「台湾人の視点を活かして、中台の発展や台湾人の働き方、暮らし方をより客観的に報道し、台湾海峡両岸の人々の良きコミュニケーターになれればと思います。」と発言しています。

また、邵氏は金門の地元両岸経済貿易文化観光市民団体の会長であり、旅行代理店も経営していたとの事。

この様な他国の中国経済振興団体等を介して、スパイ工作や浸透工作を他国に行う中国の実働部隊が「統一戦線工作部」です。

中国共産党は台湾統一の為に政治、経済、科学技術、教育、軍事など 12 の分野で台湾に対して包括的な統一戦線を展開していると言われています。

例えば、政治分野では台湾の親中国共産党政治勢力を育成する以外に、政治家や行政の幹部を中国大陸、香港、マカオに招き、旅行中に誘惑、懐柔を行い、台湾に帰してからは中国共産党の為発言させ、台湾の対中政策に影響を与えようとします。
また、台湾ビジネスマンの商売が中国に逆らう事で脅威に晒されていると、台湾の有力企業の指導者に圧力をかけて、中国とはビジネスの為に上手くやらなければならないと政治発言をさせたりします。

中国共産党は台湾の市民団体や経済団体に政治声明を出させ、政府に圧力をかけさせる事もある。

これは何も台湾に限った事ではなく、日米の議員や経営者にも、中国に頻繁に通うようになってから発言がおかしくなる方々が沢山いらっしゃいますよね。

 

中国共産党も毎年、台湾の学者、各級学校長、学生を「キャンパス交流」「客員学者」「学生交流」「研修旅行」等を通じて中国大陸に招待していますが、ここでも工作が行われていると指摘されています。

因みに日本では、中国共産党主催の学生交流を積極的に行っている団体があります。

中国共産党による日本の若者への浸透工作に積極的に関与しているのが創価学会で、例えば今月もこの様な交流会を開催しています↓

2022年11月12日、日中友好を促進するため天津対外友好協会は日本の創価学園中学校と協力して「中国学生交流大会」を開催しました。

両校の学生代表は「周恩来と南海中学校、池田大作と創価学院、周恩来と日中友好、池田大作と日中友好」の4つのテーマについて、深い交流と交流を行いました。日中友好の良き伝統を継承し歴史を直視させる。だそうす。

こうした動きに先立って、新華社通信は日中青少年交流を活用し、中国のイメージアップを図る為には「日本の若者に中国での自分の経験を語らせる事が最も説得力がある」と報道しており、中国領事館が働きかけ日中学生交流を推進しています。

完全に子供達をダシに使っていますね。

台湾に話を戻します。今年の7月29日から30日にかけて、中国共産党中央委員会は、7年ぶりに2回目の統一戦線工作会議を開催しました。

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習近平はこの会議で統一戦線は党が敵を打ち負かし、国を統治し、復興させ為の重要な魔法の武器であり、台湾統一などにあたって統一戦線活動を強化し改善する必要があると述べています。

1939 年 10 月 4 日、毛沢東は「共産党」の序文で、統一戦線、武力闘争、党建設は、中国共産党が中国革命で敵を打ち負かす為の 3 つの魔法の武器であると述べました。

最も広い統一戦線を確立する事は、党が敵を倒す為の重要な魔法の武器であり、党が国を統治し、活性化する重要な魔法の武器だと。

習近平時代ではこれを中国国内だけではなく、全世界に広げています。

https://jp.strikingly.com/s/sites/18954222/edit/manage/blog/blogPosts?new=1#8152

今回明らかになった事例や、軍の多くの将兵が「降伏誓約書」に署名した事は、習近平の言葉を裏付けるものであり、中国共産党の台湾への浸透が静かでゆっくりだが、いかに大規模なものであるかを証明している。

こうした外国政府の政治家や軍人をスパイに変えてしまう役割を果たしているのが、統一戦線工作部による工作だと台湾議員は以前から指摘しています。

もし、台湾当局がこのような売国奴を排除せず、野放しになったまま中国共産党による台湾への攻撃が開始され、これらの将軍が率先して台湾の軍事情報と防衛機密を売り、更には人民解放軍を迎える為に扉を開いてしまったらと想像してみると、どれほど恐ろしい事になるのでしょうか?

 

実態が見えずらい統一戦線工作

対中の分析で有名なオーストラリア戦略政策研究所(ASPI)のシニア アナリスト周安蘭氏は、米国やその他の西側諸国は長い間、統一戦線工作部や中国国家安全部の潜入、情報スパイ、影響工作の役割とそれが齎す脅威について十分理解していなかった為、中国共産党の声を反映しその利益に役立つ勢力が多くの西側諸国において長期間繁栄してきた一面があると指摘しています。

これは西側諸国が中国の諜報およびスパイシステムの運用を理解していない事に起因しており、ロシアのスパイがCIAに転身して機密施設に侵入する様なハードコアな作戦とは対照的に、中国国家安全部の工作員は、外交政策の学者、文化交流の役人、詩人、映画製作者、書籍出版社などに紛れ、時間をかけて慎重に行動していると言っています。

中国共産党の統一戦線工作部については、特に海外で、華僑社会、少数民族、宗教団体におけるネットワークや中国共産党に同調する人々の構築に重点を置いていると。

中国国家安全部と統一戦線工作部は連携しており、統一戦線工作部が中国共産党に友好的な人物の国際ネットワークを構築し、国家保安部がそれらの人物をスパイにリクルートしたり、情報を聞き出したりしている様です。

リクルートされた人物は秘密作戦や諜報活動を行う為に利用され、政治影響力作戦にも活用される。

ASPIはこの件についてこう指摘しています。

「中国による影響力工作のやり方が気になるのであれば、中国がどの様に外国で人間関係の構築をしているかに注意を払うのが重要です。

その種の正式な支払い(スパイとしての報酬など)は表立ってはあまりない。言い換えれば、各国の防諜のレーダーに引っかかるような、止めるべき、止められるべき活動は通常少ないのです。

中国国家安全部には「暗黙の了解」という言葉があるほどで、このような暗黙の採用は、採用されている者がその事実を認めなくても事実上の諜報員になる事を意味する。

外国のスパイ要員自身も相手が単なる中国外交官やNGO職員でもなく、実は中国の情報機関と繋がっている可能性がある事を知っているが、それを無理に認める必要はなく、その事実を正式に知らされる事もないので、なんとなく一緒に仕事ができるのです。

その関係から利益を得ていても、「(中国の)諜報活動には関与していない。知らなかった。」と言い張ることで、責任を回避できるのだ。

つまり、中国の情報機関関係者と薄々知りながら、その手先として働いている人達だけでなく、国家安全保障機関がどのように人々を操っているのかにも関心を持つ必要があるのです。

中国の国家安全保障に操られたり騙されたりする事を犯罪とする事は難しいですが、それが政治的干渉に発展し、中国への理解に影響を与え、各国の政策を誤らせる事が問題となります。

従来、欧米の防諜機関はこの点をあまり気にしていなかったと思います。

彼らは、政府の機密を盗み、政府のサーバーに侵入して機密データにアクセスしようとする人々の方を心配している。

中国国家安全部の作戦が成功したのは、レーダーをかいくぐっているようなものだと思うんです。

他の諜報活動のように目立つ事はありませんが、それでも人々に影響を与え、操ることに大きな成功を収めているのです。」

この様に中国のスパイへの対策は難しい問題ですが、日本も何らかの対策を取って行く事が重要です。

まず、どんな組織がどの様な活動を日本でしているのか、その認知認識が大事ですね。