ウクライナでのロシアの失敗を見て、アメリカ

は日本での燃料貯蔵庫の拡張を検討中
ペンタゴンはアジアで人民解放軍

と武力紛争が起きた際に米軍が燃料補給や再武装を行う為に十分な兵站能力がないと指摘 

2023年度のステップとして岩国米海兵隊航空基地のジェット燃料貯蔵能力の拡張を提案しています

 

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米国防総省は台湾や日本に対して中国が侵略を開始して武力紛争が起きた場合、米軍には燃料補給や再武装に必要な物流能力が現状十分にないと考えている事が米太平洋抑止力構想の長期計画文書で明らかになっています。

「現在の戦域の兵站態勢と兵力維持能力は、特にアジアでの紛争環境で作戦を支援するには不十分である」と文書には書かれており、ウクライナ侵攻の際、ロシアのアキレス腱は兵站であることが証明されたが、米国防総省はこの教訓をインド太平洋地域でも生かそうとしているとの事。

中国との紛争が起きる前に、弾薬、燃料、食糧、医薬品をどれだけ前方の拠点に備蓄できるかは極めて重要で、事が起きると中国人民解放軍は小笠原諸島からグアム、パプアニューギニアに至るいわゆる第二列島線の向こう側の米軍とのアクセスを阻止しようとする可能性が高いと想定されています。

この為に2023年度のステップとして、ペンタゴンは岩国にある米海兵隊航空基地のジェット燃料貯蔵能力の拡張を提案しています。

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「拡張されるバルクタンクにより、タンカー船による補給を待つ間、有事作戦を維持する為に必要な戦争備蓄ジェット燃料を貯蔵する」と文書には書かれており、東京の横田基地にある燃料貯蔵所の拡張も含まれています。

米太平洋抑止力構想はまた、中国の弾道ミサイルや極超音速兵器、巡航ミサイルに対応する為、グアムのミサイル防衛能力を拡大する予定で、グアムは米国の戦闘機や軍艦の寄港地としての役割に加え、インド太平洋地域における物流の神経中枢としての重要性を増しています。

米国は、インド太平洋地域での活用が期待される高速機動支援艦の開発も進めており、完成すれば武器や物資を島々に迅速に届ける事ができるようになるとの話。

現状、米国西海岸から北東アジアに援軍を送るには約3週間かかるとされていますが、今後中国のミサイル能力の進歩により、前線に全く全く間に合わなくなる可能性もあると言われています。

勿論中国は台湾侵略や日本侵攻の際に米軍と衝突する事を念頭に2016年から兵站を抜本的に強化してきています。

による中国人民解放軍の兵站についての紹介⇩

人民解放軍海軍(PLAN)、PLA空軍(PLAAF)、PLAロケット軍(PLARF)など中国軍の主要兵科すべての兵站能力を強化する為、習近平国家主席のもと中国人民共和国は2016年に統合兵站支援軍(JLSF.联勤保障部队)を設立しました。

2016年、習近平国家主席の下、大きな軍事改革の取り組みの一環として統合後方支援部隊(JLSF)が創設されました。JLSFは人民解放軍のすべての部隊に後方支援と補給関連の支援を行うことを目的としており、台湾に対する遠征や地域的な任務での兵站確保も統括しています。

統合後方支援部隊(JLSF)の基本的な役割は精密な後方支援の提供であり、統合作戦を成功させる為に「正確な場所、時間、必要な量」で後方支援を行うように調整されており、2020年、武漢で発生したCOVID-19への対応で重要な役割を果たし、JLSFの緊急対応能力と有効性が示されたとされる。この取り組みでは、緊急援助、医療品、人員を、都市を超えて航空と高速鉄道で武漢に輸送する事ができた。

統合後方支援部隊(JLSF)の構造

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中国軍の兵站・支援部隊の地理的な配置

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統合兵站支援軍(JLSF、联勤保障部队)は、中国人民解放軍のすべての兵科の戦闘パフォーマンス確保の為に不可欠であり、統合された共同作戦の実施において支援を提供し、すべての兵站要件を管理する。チベット高原と新疆の西部地域を覆う広大な領土では、鉄道、道路、航空輸送の物流活動が増加したのが目撃されています。

統合兵站支援軍(JLSF、联勤保障部队) については、オープンソースの資料や公表されている記述があり、調査がなされています。しかし、JLSF の進化した後方支援能力が、米軍や自衛隊の PLA 軍(PLAA)に対する防衛能力にどのような課題をもたらすかについて、具体的な分析はほとんどありません。インドのシンクタンクによる統合兵站支援軍に対する分析では、中国の辺境防衛に対する JLSF の貢献は今のところ限定的であり、当面はそこまでの脅威では無いとされていますが油断は禁物です。

軍事兵站の重要性

ナポレオンの参謀で兵站の父と呼ばれるスイスの戦略家アントワーヌ・アンリ・ジョミニは、「兵站」を「軍隊を動かす為の実践的な技術」と定義し、幅広い18の構成要素を挙げています。食料であれ弾薬であれ、A地点からB地点に物資を輸送するには、サプライチェーンが必要です。軍隊における物流の研究は平凡に見えるかもしれないが、物流は軍事作戦を持続させ軍隊を十分に供給する為に不可欠なものであると。

イスラエルの軍事史家Martin Van Creveldは、「指揮官が作戦を練ったり、戦闘を起こしたり、あちこちに進軍したり、侵入したり、包囲したり、全滅させたり、消耗させたりする事を考え始める前に、兵士に 1 日 3,000 カロリーを供給する能力を確認する必要があるのだ。兵士を適切な場所に適切な時間に運ぶ為の道路が利用でき、その道路に沿っての移動が輸送手段の不足または過多によって妨げられないようにする事が重要です。この為に必要なのは、偉大な戦略的才能ではなく、単なる努力と冷徹な計算であるかもしれない。」と述べています。

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中国は兵站の重要性を理解しており、人民解放軍の戦闘力にとって必要不可欠であり、軍事的成果の決定要因のひとつである事を理解しています。

敵の補給線を破壊しながら自国の補給線を維持する必要性は、当然の事と思われているかもしれませんが、兵站を軽視してウクライナ侵略を始めてドツボに嵌まったロシアが良い例ですが、有事に対処する為には事前の兵站への投資が極めて重要な事を認識している国はあまり多くないのではないかと言われています。

中国統合後方支援部隊(JLSF、联勤保障部队)の創設は、中国軍の3つの兵科すべての戦闘力を増強する緊密にネットワーク化され調整された後方支援システムに、中国軍がどれだけ投資しているかを示すものであると分析されています。

統合後方支援部隊(JLSF、聯勤保障部隊) の概要 

兵站領域における軍民融合(中国共産党の国家戦略で民間と軍事部門を融合させ共通の技術、製造プロセスを実現する戦略)について。

JLSF は、中国共産党中央軍事委員会を通じて中央管理されています。中国の兵站能力の改善の殆どは、2016年に習近平が行った中国統合後方支援部隊創設の決定によるもの。

そして、中国統合後方支援部隊とセットで習近平が力を入れたのが「軍民融合」です。

軍民融合は、統合後方支援部隊(JLSF)の設立や習近平の時代よりも前の事ではあるが、中国が共同ロジスティクスを実現する為に不可欠です。1990年代の江沢民の在任中に、民間と軍事部門の間の協力を促し、互いの長所を活かして迅速な近代化を図る為に作られたもの。

その後、軍民融合は国防科学技術工業委員会(COSTIND)という組織の下で推進され、その後2007年から2008年にかけて胡錦濤の下で国防科学技術工業管理局(SASTIND)の管轄となりました。

現在、統合後方支援部隊(JLSF)は中国軍のすべての兵科に渡るロジスティクスに関する軍民融合を監督する責任を負っています。民間の能力を活用し、軍のロジスティクス任務を支援する民間人の派遣と訓練を監視しているとの事です。

2016年10月20日、習近平による人民解放軍の兵站強化の命令に従って「イノベーション主導の発展-軍民の深い融合-軍事(緊急)ロジスティクス構築」という会議が開かれました。

国家省庁や委員会、軍事機関、戦地、軍事兵站機関や関連部隊、大学や研究ユニット、地方自治体、兵站産業協会、企業や機関の代表者や専門家460名が人民解放軍の兵站について議論したと新華社通信が報道しています。

「一帯一路や、ロジスティクス改革に絡めた軍事物流に注目した多数の専門家が、理論と技術革新、軍事(緊急)兵站における軍民融合の進展などのテーマで、素晴らしい講演をしたとの事。

中国物流学会副会長の尹邁氏はインタビューで「軍民融合における物流業界はまだ初期開発段階にある。 今後の発展の過程ではビッグデータ、クラウドコンピューティングなどのハイテクを十分に活用し、本来の一点突破のイノベーションから体系的なイノベーションへ向けて、絶えず軍事兵站と緊急兵站管理システムを改善し、軍民融合の物流産業の発展を促進する」と発言しています。

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この様に統合後方支援部隊(JLSF)は中国民間物流企業と融合する事により兵站を整えていますが、その実例をいくつか見てみましょう。知らず知らずの内に日本企業も加担している事があります。

2017年1月1日に施行された中華人民共和国国防輸送法により、長距離・大規模防衛輸送の迅速な組織化に向け、大・中型輸送企業を主な支援者と指定し、戦略輸送支援部隊を組織・構築、戦略輸送能力を強化し、効果的に支援するよう定められました。

国防輸送法に従い2017年6月、中国空軍は中国鉄道速達(中铁快运)、郵政速達(邮政速运)、SF速達(顺丰速运)、万隆華友という現地物流企業4社と戦略的協力協定を締結し、4社は空軍航空資材物流にサービスを提供しています。

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2017年10月23日、中国人民解放軍空軍兵站部は、中国郵政物流有限公司を始めとする物流企業5社と「空軍兵站戦略協力協定」を締結し、「空軍兵站戦略協力協定」を締結。 これらの企業には、「空軍ロジスティクス戦略協力隊 民軍統合」の資格免許が与えられました。

2018年1月末、空軍兵站部はSFエクスプレス、京東とともに、北京で雲南、陝西の3種類の無人機の共同補給演習を成功させ、8月中旬には統合兵站部補給局が地元の物流企業5社と軍民融合に関する戦略協力協定を締結、地元の物流を利用して部隊に軍事物資を提供。

2018年12月12日、中国人民解放軍海軍大連海軍士官学校は、中国鉄道物流グループとプロジェクトでの協力を確認し、軍民融合の為、高速、高効率、精密な供給システムを構築し軍事物資の流通を保証する事にしています。

プロジェクトを円滑に進める為に、双方は協力の初期段階から準備を徹底して行い人員、設備、データの機密保持の面で、技術的および管理的手段による一連の安全策も講じているのです。

中铁物流集团も一見一般の企業に見えるのですが、しっかり軍と一体となっています。

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人民解放軍陸軍の調達サプライチェーン管理が電子商取引指向になるにつれて、京东(JD.COM)も軍民融合において大活躍しています。 京东(JD.COM)物流の新事業開発部は「JDは軍の調達プロジェクトを繰り返し落札し、中央軍事委員会の物流安全部の軍事ネットワークモール、各戦域、各軍支隊とプロジェクト協力に至った 」と述べています。

関連メディアの統計によると、中国共産党の「陸軍オンライン調達モール」(军队采购网上商城)において、JD経由の注文は2017年時点で60%以上を占め、1,200以上の陸軍部隊にサービスを提供。

JDは民間企業と言うよりは軍事企業ともう言っても良いレベルですね。。。

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人民解放軍の恐ろしい所は民間と融合している所だと思います。

一度有事となれば、普通にビジネスをしていた企業のインフラがそのまま軍事インフラに変わります。これも常日頃から軍民融合として人民解放軍と民間企業が一体化してインフラを有事に備えて整えている為です。

彼等に世界中でマーケットシェアを与え肥え太らせていますが、後あと我が国含め苦しめられる事になるのは間違いない話。

中国共産党が今にも侵略行為を開始しそうな今、米軍は兵站を整えようとしている様子ですが、民間インフラを軍事転用する中国共産党のスピードに対応できるのか?くらいは警戒しておいた方が良いと思います。。

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