バイデンは「事実、アメリカには790人ほどの億万長者がいるが、彼らの平均税率を知っていますか?約8%です。私は億万長者が教師、消防士、電気技師、警官よりも低い税率を支払うべきではないと考えている」と投稿。
これについてニューヨークタイムズのベストセラー作家Carol Roth氏は、「あからさまな嘘なので、 このツイートをそのまま掲載しておくべきでは無い」と指摘して、これが何故嘘なのかを説明しています。
どうすればこの甘い税率に乗れるんだ?
ホワイトハウスのサイトに行って、彼らの 「調査 」を見てみた。
それは納税記録や所得(税率はこれに基づいている)に基づくものではなかった。
その調査には、売れ残った株式も含まれていたのだ。
「ある時点」で保有する株式の推定利益を所得に加える事は、自宅の推定価値の利益を見て、それを年収の一部と言う事と同じである。これでは、住宅所有や事業所有などが危うくなる。
これは「あなたは何も所有しなくなる(you will own nothing・世界経済フォーラムが主張している戯言の事だと思われます)」というA級の出鱈目だ。
更に出鱈目な事に、バイデン政権は1回限りの出来事(ある特定の時期の株の含み益の額)を取り上げて、毎年の税金と比較している。
これは意図的なものだ。
メディアはそれを取り上げた。彼らは億万長者が8%の所得税しか払っていないと一般の国民に思わせたいのだ。それを信じさせる事で、富裕税を可決する道を開こうとしているのだ。
極悪非道。
しかし、億万長者は抜け穴を見つけるだろう。バイデン政権は億万長者の為ではなく、あなた(一般庶民)からの納税額引き上げを追求する為に、IRSエージェントを増員し、報告要件を600ドルに引き下げようとしている。
NYTベストセラー作家はこの様に指摘しています。
こちらが該当するホワイトハウスの記事です。
スーパーリッチ層の税率がたったの8.2%と主張しています。しかし、堂々と含み益も計算に入れていると書いてあるのです。
この発表は、いかにも含み益は課税対象であるべきだと主張していて、とんでもない内容でした。含み益に金融所得課税をするという前振りに見えます。
スーパーリッチ層の富は基本殆どが株の含み益で、毎年の課税対象の収入はせいぜい数億円ですが、それを持ち株何兆円で割っているので税率がとても小さく見える、というからくりです。
この方針はカマラ・ハリスに引き継がれ、カマラは大統領選での政策で「包括的な税制の為に、含み益への課税を行う」と発表して非難を集めましたが実はこの話、日本人に全く関係ない話ではないのです。海を越えて皆さんの暮らしにも直接関わってくる話でもあります。
というのも、米国民主党政権に追随する日本の岸田政権と財務省はバイデン政権の含み益課税を見て、日本への導入を検討していたからなのです。
岸田政権が発足後、金融所得課税について持ち出して炎上したのは覚えていますか?アメリカでのこの動きが、あの様な話が出るきっかけになった可能性があります。
こちらは日本の財務省の資料です⇩
・我が国においても金融所得(配当や株式キャピタルゲイン等)を生む資産や所得の富裕層への集中は加速しており,政策的対応が必要である事を確認できる。
・ここに来て富裕層に関しては実現主義の下で,譲渡等が行われるまで資産の含み益が課税されない譲渡所得課税制度そのものを「優遇措置」(preferential treatment)とする見解が現れた。バイデン政権はこの事が富裕層納税者に不釣り合いな利益を齎しているとして,課税所得に未実現キャピタルゲインを含めてミニマム税を課する税制改正を提案している。
・日米は類似の問題を抱えている為,富裕層課税を巡る米国の問題意識や議論,経験は,我が国の金融所得・富裕層課税の展望を考える上で参考になる筈だ。
・米国と比較した場合,我が国の富裕層の所得税負担割合は米国の半分程度にすぎず見劣りしている。我が国でも,富裕層の課税ベースの活用により真剣に取り組むべき時がきていると言うべきだろう。
この内容を読むと、バイデン政権がやろうとしているから日本でもやろうとしていた事が分かります。中々に物騒な事を言っていますね。。。
現在、石破政権がそれを引き継ごうとしています。総裁選前に口を滑らせて「金融所得課税をしたい」と言っていたのを皆さん覚えていらっしゃるでしょうか?
米国でのこうした動きに日本政府・財務省は連携しようとする節がありますので、一見日本に関係が無い様なこうした動きも重要なサインである事が多いです。
その為に、こうしたバイデン政権での金融所得課税に対しての米国内からの反論は一見の価値があります。日本での反論にそのまま生かせる可能性があるからです。