ロシアが最近中国政府に解放したウラジオストクの位置です。ウラジオストクは"東方を征服する"という意味を持つ。
時事通信はこの件を、「ウラジオストクは「中国固有の領土」か~始まった極東奪還闘争」という興味深いタイトルを付けて報道しています。
中国側は5/20に「ウラジオストクが中国に正式開港! かつて中国海の真珠と呼ばれた地域が163年ぶりに開港する」と報道。
ウラジオストクは人口約60万人、ロシア沿海州の行政中心地であり、極東最大の都市です。 アムール半島の最南端に位置し、中国吉林省琿春市までの直線距離はわずか180キロメートル。
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この都市とその周辺の土地は清朝の満州民族の故郷です。しかし、ウラジオストクは中国が第二次アヘン戦争でイギリスとフランスに敗れた後の1860年にロシアが清国に北京条約を締結させロシア帝国に併合された。
ロシアのウラジオストク開放の決定
ロシアは最近、1860年から占領していた極東のウラジオストク港を中国に開放し、海運を行うようになった。ウクライナや台湾、南シナ海周辺での両国の行動が国際関係を悪化させ続ける中、両国の戦略的交流であると指摘がなされています。
5月4日、中国共産党政権の税関総署は通達を出し、ロシアのウラジオストク港を中国国内商品の越境輸送の中継港に追加した。この政策は来月6月1日から施行される。ウラジオストクを通過する商品は「国内貿易」に分類され、輸出入関税の対象外となる。
中国本土のメディアは、吉林省、黒龍江省から海上輸送する場合、遼寧省の大連港まで1,000km以上の距離をトラックで運ばなければならなかったが、新ルートでは輸送コストが大幅に削減されるとしている。
ウラジオストクに入港すれば、黒龍江省の綏芬河市と吉林省の琿春市から約200km(124マイル)の距離を移動するだけで済みます。
2023年公告第44号によると、東北地方の旧工業基地の活性化戦略をさらに推進し、吉林省の国内貿易物資の輸送範囲を拡大するため、中国は国内貿易物資の中継港としてウラジオストク港を既存の港に加え、6月1日に正式開港させる予定です。
しかし、有識者はロシア政府のウラジオストクの中国への開港は2022年にウクライナ侵略戦争が勃発して以来、西側の強い制裁の下、戦争で挫折し、経済発展も遅れ、ロシアの力が大きく損なわれたことを示すと指摘しています。
ロシアは中国共産党との政治、経済、さらには軍事協力をさらに強化し、ウラジオストクを中国共産党の港にするなど、領土を開放する譲歩までして、国際社会からの圧力を緩和する必要があったという事です。
中国共産党にとって、ロシアがウラジオストクを開港することは、中国経済にとって良いだけでなく、中国共産党の軍事力にとって意義があるかもしれません。
中国共産党が台湾侵略を起こせば、欧米は必ず中国共産党に制裁を加える。米軍がマラッカ海峡やスエズ運河などのルートで中国共産党への補給を断つ可能性もある。そうなれば、中国共産党の船はウラジオストクを利用して北極航路を通ることができる。
昨年末、ロシアメディアは、中露が極東で大規模な経済協力を開始するというニュースを流したと中国メディアが盛んに報道していますが、今回のウラジオストクの開港はこちらに関係しているかもしれません。
ロシアは極東にロシア全土の約4分の1に当たる700万㎢近い面積の超経済特区を指定し、中国共産党はロシアでエネルギー・鉱物、インフラ、自動車製造、農業、機械、電子情報などの分野で79の大型プロジェクト、総額1700億米ドルを投資するという。
ここにはまだ政治的、経済的な問題が絡んでおり、一朝一夕に実現するものではない。しかし、 ウラジオストクの開放は、ロシアと中国のさらなる協力の証であることは間違いない。
実現可能性は低いと思われますが、日本の真横で、樺太も含めた構想の様なので注意は必要ですね。
ロシアがこれ以上、中国政府に依存した経済を構築するのであれば、時事通信が言うようにウラジオストクは中国固有の領土なるかもしれません。