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本日、市場で非常に興味深い値動きが見られました。
イランがイラクとカタールにある米軍基地に報復攻撃を行ったにも関わらず、株式は急騰し、原油価格は急落しました。
トレーダー達は、今回の出来事を単なる「演出」とみなして、大きな懸念材料とは捉えていない様子が伺えます。
実際、攻撃前にイランから米軍基地側へ警告がなされており、むしろ情勢は緩和に向かっていると考えられている様です。
また、CNNによれば「トランプ大統領は中東での更なる軍事介入を望んでいない」と報じられています。
日曜日夜の先物市場のオープン直後には、株価が一時的に急落しましたが、ヨーロッパ市場が開く頃には回復しました。
その後、ヨーロッパの取引時間中に一度下落が見られたものの、米国市場が現物取引を開始するとすべての主要指数が急騰しました。
この動きは、原油価格の下落と、世界が今回の出来事を「ミッション完了」として楽観視している事を反映しているように思われます。
しかし、その後カタールが自国領空を閉鎖し、中国がイランによる米軍基地への攻撃が差し迫っていると警告した事で、株価は再び急落。
そして実際に、イラクおよびカタールで攻撃が起きました。
興味深い事に、最初のパニック的な売りが収まると、株価は再度力強く上昇し、原油価格も一段と下落しました。
市場は、イランの動きを「単なる演出」と捉えており、現実的なリスクとは見なしていない様子が浮き彫りとなっています。
原油価格は取引開始時の高値から13%以上急落し、イランが最初のミサイルを発射して以来のすべての上昇幅が帳消しとなる、これまでにない一日となりました。

中東での事態が鎮静化しつつあるとマーケットが見ている為、その指標となるGOLDも急下落しています。

日経先物も上昇⇩

最近の値動きとしては200DMA(200日移動平均線/水色)と100DMA(100日移動平均線/緑)が良く意識されています。
多くのハト派的なFRB(米連邦準備制度理事会)関係者の発言が続き、また世界の貿易政策を巡る不透明感も年初来で最低水準となっている為、株式市場が過去最高値を試すのを妨げる要因はほとんど見当たらなくなってきています。
唯一の懸念材料は中東情勢の更なる激化ですが、結局のところ、市場はイランを巡る緊張がそれ以上エスカレートするとの見方には懐疑的であると言えるでしょう。
最新の状況
FOXニュースは今朝、以下の様に報道しています。
「トランプ大統領はカタールのタミーム首長と会談し、アメリカがイスラエルにイランとの停戦に同意させた事を伝えました。大統領はカタールに対して、イランにも同様の説得を行うよう要請。カタールの首相との協議を経て、イランも同意したとの事です。この合意は、大統領と副大統領、カタールの首長と首相によって最高レベルで調整されました」
ロイターもイランが停戦に合意したと報じており、少なくとも報復的なミサイルの応酬に一時的な終止符が打たれる事になります。以下、ロイターから要点抜粋です。
・米国の要請でカタールがイランの停戦合意を仲介
・トランプ氏のカタール首長への働きかけを受け、カタール首相がテヘランの承認を取り付けた
・ドーハがイスラエル‐イラン間の紛争停止に重要な役割を果たした
午後6時過ぎ(日本時間24日午前7時2分)、トランプ大統領がTruth Socialで、イランとイスラエルが「完全かつ全面的な停戦」に「完全に合意した」と発表した後、先物は急騰し、原油価格は記録的な急落を見せました。

この停戦は米東部時間の深夜頃から発効し、「進行中の最終作戦が完了次第」12時間に渡って続く予定です。トランプ氏は「この時点で“戦争は終了したとみなす”」と述べています。
更に大統領は、「すべてが計画通りに進めば、必ずや上手くいくと信じています。両国、イスラエルとイランが、この12日間戦争を終結させる為に持っていた忍耐力、勇気、知性に心から祝意を表します。この戦争は何年も続き、中東全体を壊滅させていたかもしれませんが、そうはならず、そして今後もそのようなことはありません!神がイスラエルとイラン、中東、アメリカ合衆国、そして世界を祝福しますように」と締めくくりました。