トランプのイランへのバンカーバスターでの爆撃は、イランの地下核施設を崩壊させなかったと報道が出ています

デマか事実か?

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要点

  • 最近の戦争(イスラエル・アメリカ vs イラン)で、アメリカとイスラエルはイランの核施設に空爆を行った。アメリカはB-2爆撃機などを使い大規模な攻撃を実施。
  • その攻撃で「イランの核計画が完全に破壊できたのか?」が疑問視されています。
  • アメリカ政府・大手メディア(NY Times等)の情報では、「イランの地下核施設は崩壊しなかった」「核計画は数ヶ月しか遅延していない」という評価。
  • イラン側は攻撃前から濃縮ウラン(約400kg)などの核関連重要物資・機材を秘密裏に移動または隠した可能性が高いとみられています。
  • 現地の「コア部分(主要装置や貯蔵物)」は依然として「無傷(intact)」とされ、イランのウランがどこにあるのかアメリカ側でも把握できていません。
  • これにより「イランの核・ウランの在庫がどこにあるか?」は大きな国際的謎になっているのです。

アメリカ軍が先週末にイランの3つの核関連施設を攻撃しましたが、イランの核開発計画の核心的な部分は破壊されず、その進展は数か月程度しか遅れなかった可能性が高いと、米国防情報局(DIA)による初期の情報評価で示されました。

この評価は、攻撃後に米中央軍が行った戦闘損害評価に基づいており、これまで報道されていませんでした。複数の情報提供者がこの評価について説明しています。

被害状況やイランの核開発に及ぼした影響の分析は現在も進行中であり、さらなる情報が得られれば評価が変わる可能性もあります。

しかし、初期の見解は、トランプ大統領が繰り返し主張する「イランの核濃縮施設を完全かつ徹底的に壊滅させた」という発言とは食い違っています。

ペントゴンのヘグセス国防長官も、イランの核開発の野望は「壊滅した」と日曜日に述べていました。

また、評価内容に詳しい2人によると、イランが保有する濃縮ウランの備蓄は破壊されておらず、遠心分離機も殆ど「無傷」で残っているとの事です。攻撃前に現地から濃縮ウランが移送されていたと見られています。

「このDIAの評価によれば、アメリカの攻撃はせいぜい数か月程度イランの核開発を遅らせたものだ」と、その人物は付け加えました。

ホワイトハウスもこの評価の存在を認めていますが、その内容には同意していません。

ホワイトハウスの報道官カロリン・レヴィット氏はCNNに対し、「この報告はまったくの誤りであり、『極秘』に分類されていたにも関わらず、情報機関の低レベルの匿名人物によりCNNへ漏洩された。

このようなリークは、トランプ大統領の名誉を傷つけ、勇敢な戦闘機パイロットたち及び完璧に遂行された作戦を貶めるものだ。

30,000ポンドの爆弾を14発も正確に投下すれば完全な壊滅が齎される事は誰もが知っている」と述べました。

アメリカ軍は作戦が計画通り遂行され、「圧倒的な成功だった」としています。

ただし、攻撃の影響全体を完全に把握するにはまだ時間が必要であり、DIAの評価が他の情報機関の見解とどのように比較されるかについては、いずれの情報筋も言及していません。

アメリカはイラン国内の情報収集も続けており、更なるダメージ把握に努めています。

アメリカの攻撃に先立ち、イスラエルは数日間に渡ってイランの核関連施設への攻撃を行っていましたが、仕上げにはアメリカの30,000ポンドのバンカーバスターボムが必要であると述べていました。

米軍のB-2爆撃機がフォルドゥー燃料濃縮工場とナタンツ濃縮施設の2箇所に十数発の爆弾を投下しましたが、目標とされた遠心分離機や高濃縮ウランを完全に排除するには至らなかったと情報筋は伝えています。

これら3か所(フォルドゥー、ナタンツ、イスファハン)への影響は、主に地上構造物に限定されており、それらは大きく破壊されたものの、核物質を加工する地下施設などの核心部分への大打撃には至っていないとの事です。

イスラエル側の被害評価でも、フォルドゥー施設に関して当初期待したほどの損害は確認できませんでした。

しかし、アメリカとイスラエルによる連携攻撃によって、イランの核開発計画は最大で2年間遅れた可能性があるとみられており、仮にイランが復旧を図ったとしてもイスラエルがそれを許さないとの見解です。

ただし、アメリカの攻撃前からイスラエルは「2年の遅延」を主張していました。

ヘグセス国防長官もCNNに対し、「私が入手している全ての情報に基づき、爆撃作戦によりイランが核兵器を作り出す能力は壊滅した。巨大な爆弾は全て目標地点をピンポイントで直撃し、その効果はイランの山の下に埋もれている。破壊力を疑う者は、大統領とこの成功した作戦を貶めようとしているだけだ」と語っています。

火曜日の朝、トランプ大統領も再び攻撃の成果は大きかったとの認識を示しました。「完全に破壊されたと思っている。パイロット達は見事に目標を攻撃した。全ての標的は破壊され、パイロット達は称賛に値する」と述べました。

イランが核計画を再建する可能性について問われると、トランプ氏は「(現地は)岩の下にあるが、そこは破壊された」と述べています。

トランプ大統領やヘグセス長官が作戦の成功を強調している一方で、統合参謀本部議長のケイン大将は「まだ損害評価の途中であり、イランが核能力を保持しているかどうかに言及するのは時期尚早だ」と語っています。

共和党のマコール下院外交委員会名誉委員長もまた、CNNで「(今回の攻撃計画について)完全に核施設を破壊する事は意図されておらず、あくまで大きな損害を与える事が目的だった。ただし、恒久的な打撃ではなく一時的な遅延である事は以前から分かっていた」と述べました。

兵器専門家でミドルベリー国際問題研究所のジェフリー・ルイス教授も、商業衛星画像を精査した結果、「攻撃はイランの核開発を終わらせるものではなかったとの評価に同意する」と述べました。

「停戦は、アメリカもイスラエルも、ナタンツ、イスファハン、パルチン(テヘラン近郊の別の核施設)など主要な地下核施設の破壊には結び付かなかった。これらの施設はイランの核開発を迅速に再構築する基盤となりうる」とルイス氏は指摘しています。

この問題は、核拡散防止や中東の安全保障にとって極めて重要なので、今後も国際社会が強い関心を持つであろうというニュアンスも含まれています。