「中国が世界を席巻する時代は終わった」と米国有名メディアが報道

 

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NYT等もしばしば引用し活用するBusiness Insider(ビジネスインサイダー)での「中国経済はひとつの時代の終焉を迎えた」という報道ですが、コチラ簡単に紹介すると・・・

 

過去30年間、中国は製造能力、消費意欲、世界経済への影響力をほぼ絶え間なく拡大させるスーパーサイクルの絶頂期にありましたが、その原動力は不動産でした。

今まで中国政府は不動産市場に大規模なバブルを発生させ、地方に多額の負債を負わせながらも経済発展を執拗に追求してきました。

この不動産バブルの時代は中国政府にとって恩恵であっただけでなく、世界の需要を煽る事にも繋がっていました。

日本を含め世界の各国は自国の発展を加速させる為に、中国のスピーディな近代化と産業力への渇望を頼りにして対中依存をしてきました。

米国企業でさえも、中国を次の世界的な大市場と見なしそれに賭けていたのです。(特にウォール街が)※一部の日本企業は未だにそうでしょう。Nitoriやユニクロです。

しかし、その賭けは失敗に終わったのです。

習近平は中国共産党の存在意義を経済よりも国家安全保障に移しました。(異常なまでの企業への取締り、監視体制構築、まるで毛沢東時代の様な人民同士の密告制度スタート等に表れています)

その結果、中国政府の優先順位も行動も変わりました。

以前は、不況になりそうな時はいつでも中国共産党が助けに奔走していましたが、今回の不動産バブルに対する多額の景気刺激策はありません。各国の専門家がかつて中国に期待したような爆発的な成長ももう戻ってきません。北京と外部世界との関係は、経済合理性の原則に導かれるのではなく、北京の政治権力への渇望に左右されています。

中国経済調査会社『チャイナ・ベージュ・ブック』の創設者であるリー・ミラー氏はインサイダーで以下の様な指摘をしています。

「中国への経済依存について米国企業は(日本企業も)、中国経済に直結している北京の意思決定が現在どのように影響しているのかを確認する必要がある。米国の農家から製薬会社まですべての人にとって、中国の環境変化は需要の縮小と不安定なサプライチェーンへの変化を意味し、政策立案者にとっては対立が生じた時に中国をなだめる事が難しくなるのを意味する。その他の人々にとっては、より不安定な世界の到来を意味する。」

 

使い古された中国共産党の経済システム

中国経済はこの10年近く構造的な問題(歪んだ不動産バブルによる経済成長)の重圧に耐えてはいましたが、習近平のゼロコロナ政策が終了して以来、その成長モデルが完全に破綻している事が明らかになったのです。

中国政府のこれまでの主張は、パンデミックから回復しつつある他の経済諸国と同様、中国もやがて通常の成長パターンを取り戻すというものでした。しかし今はそれどころか経済は更に悪化してきているように見えます。

中国の不動産市場

中国の不動産は中国人の家計にとって最大の富の源泉であるだけでなく、不動産は地方政府の財源を賄う仕組みでもありました。

固定資産税の代わりに、地方自治体は広大な土地を不動産開発業者(恒大やカントリーガーデンの様な会社)に売却し、その収益を道路の整備や年金の支払いといった基本的な社会サービスに充てています。

上海や北京のような都市は注目されていますが、それは不動産市場のほんの一部に過ぎません。

中国の不動産会社は、人々がそれほど裕福でない第3層の都市で最も多くの建設を行っています。中国の悪名高いゴーストシティはそこにあるのです。。。(因みに第3層の都市で最も手広く不動産開発を行っていたのがカントリーガーデンです

そもそも中国の不動産市場が問題を抱えている事は何年も前から明らかでした。

専門家の試算によれば、中国の人口は14億人ですが、既に30億人分の住宅を建設してしまっています。

メガ開発プロジェクトの多くは、北京の飽くなき成長への欲望を象徴する空虚なモニュメントとなりました。※カントリーガーデンのフォレストシティや恒大の海花島は空虚な中国の夢遺跡みたいになっています。

瀋陽の鬼城(ゴーストタウン)では高級住宅街が廃墟となり、農民が牛の放牧のために利用するという衝撃的な光景が見られます。

不動産セクターの崩壊を心配した中国政府はバブルを制限しようと何度も試みました。がしかし、不動産が政府の資金調達メカニズムとして重要な役割を果たしていたため結局抜け出せず、破綻が目に見えているにも関わらず、大規模不動産開発を続けなければなりませんでした。中国政府は地方政府の資金調達方法を変えたくなかったし、中国の財政が破綻するのも避けたかったので不動産価格も吊り上がり続けました。

もうどうしようもないところにまで到達してしまい、その負のスパイラルは今も続いていて、

現在、投機に支えられたこのババ抜きかポンジスキームの様なシステムは崩壊し始めています。

それはもう世界中の誰の目にも明らかです。

中国最大の不動産デベロッパーであるカントリー・ガーデンは債務不履行を起こし、崩壊の危機に瀕しています。

そして、中国政府が自分で始めたこの無理ゲーに飽き飽きした事を示すかのように、経営難に陥っている中国最大の不動産会社だった恒大の許家印会長が当局に拘束されました。

不動産セクター崩壊により不動産からの収入が途絶え資金不足に陥った地方政府は、北京も望んでいない形の解決策を求め、持っていた不動産を売却せざるを得なくなっています。

不動産ブームを支えた巨大で不透明なシャドーバンキングも圧力を受けています。

少なくとも870億ドル(13兆円位)規模の資金運用会社である中融信托は今年の夏、投資家への支払いを滞らせ、投資家が抗議デモに集まっていました。

「これほど多くのデベロッパーが債務不履行に陥り、消費者が不動産の購入をすべきかどうか疑問を抱いている状況は初めてだ。」と、 英ヘッジファンド運営会社オートノミー・リサーチのマネージング・ディレクター兼シニア・アナリストのシャーリーン・チュー氏は指摘しています。

以前の中国では、人民達は「不動産価格が急上昇しているので、早く入居したい」と考えていました。しかし今は価格が下落し、購入の緊急性がなくなったので、彼らは様子を見ています。

中国政府による不動産マーケットの公式データはこれまでのところ比較的緩やかな価格下落を示していますが、中国共産党が出してくるこの操作された数字を真に受けるのは難しい。

中国不動産に関する民間のデータによると、深センや上海のような大都市では不動産価格が15%下落しています。

ブルームバーグによると、第二級、第三級都市での価格は50%も下落。

オートノミー・リサーチは「中国本土の不動産地域別売上全体の80%は3級以下の都市で占められていて、これらの都市の多くは長期的な構造問題に直面している。もし彼らの市場が復活しなければ、市場全体も復活する事はない。」と指摘しています。

※この中国不動産売上全体の80%を占める3級以下の都市の不動産こそが、最も価値が暴落しているのです。

 

小さな火種があちこちで一斉に

不動産セクターは中国経済の稼ぎ頭が消えつつある事を示す、最も分かり易い兆候ですが、経済の他の重要な部分にも危険信号が見られれます。

世界の他の地域がインフレと闘っているのに対し、中国はまだデフレモードです。

8月の消費者物価指数は0.1%で、前月のマイナス0.3%から上昇。GDP成長率の40%を占める輸出は、7月に過去3年間で最低の水準を記録し、前年同期比で14%減少しました。

8月の輸出は若干の改善を見せたが、それでも前年比8.8%減です。

全体として、中国の輸出は昨年に比べて8%減速すると予想されています。

中国債務分析の "達人 "と呼ばれる、オートノミー・リサーチのマネージング・ディレクターのシャーリーン・チュー氏は、現在の中国経済の低迷は単なる周期的な景気後退の結果ではなく、ヨーロッパやアメリカとの貿易摩擦によって引き起こされる、より恒久的なサプライチェーンのシフトの一部であると語りました。

これは簡単には元に戻らない強力な世界の潮流です。

多国籍企業が中国を自社の安定成長の源泉と見なさなくなれば、投資計画を変更し始める可能性があります。※既に変更し始めている。

同時に雇用の減少に対する中国国内の社会不安が、中国台頭の原動力となった国内消費行動を変えるかもしれません。これは投資を抑制し、支出を低く抑えるという悪循環を生み出します。

※若者の失業率が50%近いという最近の報道を思い出してください。

チュー氏は今年の年頭、ウォール街で中国経済の成長見通しが最も弱いだろうと見ていましたが、下半期はその見通しがさらに悪化しそうだと。

中国の経済成長率指数であるReal Autono Economic Activity Compositeは、2023年通年で3.8%と予測しており、1月の当初の4.2%から低下しています。

北京市は2023年通年で5%の成長を予測していますが、中国共産党がいかに厳格に期待値を管理したがるかを考えると、当局はどんな事があってもこの数字に固執する筈です。

カリフォルニア大学サンディエゴ校で21世紀中国センターのディレクターを務めるヴィクター・シー准教授は、「中国で金融危機が起こるか」と聞かれると、「中国は常に金融危機の中にある」と答えるそうです。

 

ゾンビ化する中国経済

中国経済悪化は中国政府を窮地に追い込んでいます。

中国共産党がやるべき事は多過ぎるし、それをなす為の十分なお金も時間もありません。

不動産市場の調整、地方政府の救済、地方政府の為の新たな資金調達メカニズムの構築、この不安定な状況を乗り切る為の社会的セーフティーネットの整備など、全てに途方もないお金がかかります。

また、たとえ資本があったとしても、政策立案者たちはこの混乱が自分達の権力掌握にどんな結果を齎すかを恐れています。

不動産価格の下落や輸出の縮小は中国国民の富を圧迫し、政府が何らかの対策を取った場合、自分達の不利になる事が起きるのではないかと懸念している様です。

「深刻な不動産価格の下落が起こる度に、中国政府はそれを社会の安定に対するリスクとみなしている」とチュー氏は指摘しています。

更に、中国政府は今後起こる他の懸念の為に余力を温存しておく必要があるかもしれません。長期的には、中国共産党は中国の人口動態(少子高齢化)に向き合わなければなりません。

かつて中国共産党が導入した「一人っ子政策」により、中国の人口は急速に高齢化しています。

労働人口はまもなく減少に転じます: J Capital Researchが纏めたデータによると、中国では現在、退職者1人に対して現役世代が3人ですが、2050年にはこの比率が1対1になるといわれています。

不動産価格の高騰や継続的な成長がなければ、退職者の増加は中国の脆弱な社会的セーフティネットに大きな負担を強いることになります。

中国の一人当たりGDPは現在約12,800ドル(192万円位)です。

日本が1991年に、高齢化、高債務、成長鈍化という同じようなダイナミズムで苦境に立たされ始めたとき、一人当たりGDPはその3倍以上の41,266ドル(現在のドル換算)618万円位でした。

中国は豊かになる前に老いてしまい、経済成長という課題を時間が経つにつれてより少ない人数に負わせる事になります。

本当に残念な事は中国経済が成長する過程で、人々が今後の経済不況の為に多くのお金を貯蓄する必要がないと感じられるような、包括的な社会的セーフティネットを中国政府が構築しなかった事です。

劇的な措置がとられない限り、中国経済の将来は苦しいものになりそうです。

先週ブルームバーグが、中国の政策立案者が1370億ドル(20兆円位)のささやかな景気刺激策を検討していると報じましたが既に焼け石に水。

中国経済には健全な部分もありますが、対処しなければならないのは不動産や地方政府の債務に見られる様なゾンビの部分です。

これが今後益々中国経済成長の足を引っ張る事になり、その成長の鈍化は深刻な雇用と資本逃避の問題を引き起こし、政治に不安定さを齎します。

しかし現在、中国政府と習近平にとっての優先順位は権力であり、経済成長は二の次の様です。

 

より危険な新時代

これまで「中国の政策立案者は、政治的安定と経済成長を結びつける様になるだろう」という考えは、西側諸国では通説となってきました。

しかしながら、中国政府は高齢化する人口の為の社会プログラムに資金を費やしたり、その為の資金調達について話したりしていないし、若い家族の生活費捻出改善に取り組もうともしてきませんでした。

経済の近代化が最重要課題であるなら、これらは何年も前に着手されている筈でした。

しかしそうではありません。中国の政策立案者たちは崩壊を望んでいるわけではありませんが、国民生活改善を推し進めているわけでもありません。

「すべての政策は習近平自身によって決定され、習近平の優先事項はアメリカとの技術競争と国家安全保障競争に参加するために資金を費やす事だ。」とシー氏は説明します。

 

習近平国家主席

習近平国家主席は中国における優先順位を「経済成長」から、「米国との技術・国家安全保障競争」へとシフトさせました。

かつてはインフラと不動産が中国政府の大盤振る舞いの大きな受益者でしたが、今は軍事部門が受益者となっています。

米国政府の推計によれば、中国の年間国防予算は約7000億ドル(105兆円位)で、米国の年間国防費8000億ドル(120兆円)に近いものになっています。

チャイナベージュブック・インターナショナル(CBBI)は米中のサプライチェーンについて以下の様に指摘します。

心配しているのは、中国の消費者の消費が更に落ち込む事ではありません。製薬やグリーンテックのような産業では、すべてのグローバル・サプライチェーンが混在しています。事態が緊迫化すれば、サプライチェーンが混乱し、米国のビジネスが台無しになる可能性がある事です。

中国はこれまでアメリカの輸入品の大口消費国ではなかったが、米中の貿易関係がリセットされるにつれ、特定のセクターは打撃を受けると思われます。中国経済の失速は、油糧種子や穀物などの商品需要を抑制し、特にアメリカの農家を直撃します。

また、ナイキやスターバックスなど、中国の人口数で大きな利益を出してきた企業も今後その利益は減少するでしょう。

新たな国家安全保障上の懸念に対抗する為に設けられた米国の技術輸出規制は、米国のチップメーカーが中国向けに売り上げている500億ドル以上の収益を脅かします。

WSJ紙は外国人経営者達は中国を訪問する危険性に神経を尖らせており、拘束されたり、何らかの理由で中国を離れる事が許されなくなるのを恐れていると報じています。

その為、既に外国人経営者達はメキシコやベトナムといった国々で次のチャンスを求め、世界中を飛び回っています。

今月初め、米国下院中国競争特別委員会はNYで公聴会を開き、「中国共産党が資本の自由な流れに無頓着で、自国の活性化をより重視している。その事に関して米国企業にどの程度のリスクがあるのか。」を説明するよう証人に求めました。

J Capital Researchの創設者でアン・スティーブンソン=ヤン氏は、証言の中で、「アメリカ、特に中西部の工業地帯の企業は、市場の需要から中国に投資しているのではない。」と指摘しました。

「機械製品や労働力のアウトソーシングのために投資している。」と。

アメリカ経済にとっては、消費者としての中国よりも、作業場としての中国の方が遥かに重要なのです。

企業は自社のサプライチェーンに潜在的な脆弱性がないか精査し、それに応じて生産体制変更を検討する必要があります。「そこでの最大のリスクは通貨だ。」とスティーブンソン・ヤンは説明します。

「米国企業がより多くのお金を中国本土で稼ぎ、それをアメリカに移したいと思うようになると、中国共産党による通貨統制にぶつかり、ドルを引き出す事ができなくなるかもしれない。」と。

 

中国が豊かになるのではなく、軍隊を増強し、国内の技術力を発展させ続けながら、強大な力を維持し続けるかもしれない未来を想像する時期が来ています。

経済的困窮だけでは中国の技術的達成を妨げられない事は、歴史が証明していますね。

毛沢東の文革による粛清の最中にも、中国共産党は原爆、水爆、大陸間弾道ミサイルを開発する事ができました。

習近平は中国人民に対し「偉大な闘争」に備えるよう警告しています。

中国経済の高度成長期が終わった今、私達はそのサイクル(中国が再び毛沢東時代に戻るような状態)を目撃しようとしているのかもしれません。

いずれにしても、今後は痛みを伴う調整が必要になるでしょう。
https://finance.yahoo.com/news/great-china-boom-going-bust-102202610.html