南シナ海のフィリピン排他的経済水域(EEZ)のスカボロー礁周辺で中国船2隻が衝突した事件の詳細

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フィリピン当局によれば、フィリピン沿岸警備隊の船2隻を含むフィリピンの船舶3隻が漁船に燃料補給をしていたところ、中国政府の船舶が放水砲で攻撃してきて事件が発生したとの事です。

中国海警局の船舶と中国海軍の船舶が衝突する中、フィリピンの船舶は攻撃を逃れました。

衝突により、中国船のうち 1 隻は航行不能となったようです。

当局は、船内で負傷した可能性のある人々に対する即時の医療支援やその他の支援の申し出に中国側は応じなかったとしています。

中国海警局の報道官が、同日遅くに発表した声明では衝突については触れられず、相変らず詐欺的な声明が出されていました。

中国海警局の声明によれば、フィリピン船団は漁船への物資補給を装って中国の領土であるスカボロー礁周辺の海域に侵入し、それに対して中国側は必要な法的措置を講じ、現場でのすべての行動は専門的、合法的であったと主張。

皆様もご存じの通り、2016年、ハーグ常設仲裁裁判所は、南シナ海に関する中国の領土主権の主張に「法的根拠がない」とし、フィリピンの訴えを支持する判断を下しています。国際法を守らずに法的措置とか笑わせます。

フィリピン海警局の公式声明

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フィリピン沿岸警備隊(PCG)は、バホデマシロク(スカボロー礁)における「カディワ作戦」を実施し、海上事故後の中国海警局への支援を申し出ました。

概要

フィリピン沿岸警備隊は、スカボロー礁周辺に約35隻のフィリピン漁船が確認されたことを受け、11日早朝、BRPテレサ・マグバヌアとBRPスルアン、およびMVパママラカヤを派遣し、「カディワ・パラ・サ・バゴン・バヤニン・マンギンギスダ(KBBM)」イニシアティブを実施。

作戦中、フィリピンの船舶と漁師は、周辺海域における中国の船舶からの危険な操縦や妨害行為に遭遇しました。特に、MRRV 4406は放水砲の標的にされましたが、PCG乗組員の熟練した操船技術により、攻撃を回避する事に成功。

関連する事件として、中国海警局の船舶3104と中国人民解放軍海軍(PLA Navy)の艦船164が、バホデマシロクの東約10.5海里の地点で衝突しました。

BRPスルアンを高速で追跡していた中国海警局の3104は、PCG船舶の右舷側から危険な操縦を行った結果、PLA海軍の軍艦と衝突。これにより、中国海警局船舶の船首楼に重大な損傷が生じ、航行不能となりました。

衝突後、PCGは直ちに支援を申し出、中国海警局船舶乗組員の落水者の救助や負傷者への医療支援を提供しました。一方、MRRV 9701はフィリピン人漁師を安全な場所に護衛し、現在、彼らに必要な燃料と物資が提供されています。

フィリピン沿岸警備隊は、この海域におけるすべての海上活動の保護に引き続き尽力し、影響を受けたCCG職員の迅速な回復と適切な治療を願っています。

フィリピンの大手テレビ局GMAでの報道

フィリピン海軍、バホ・デ・マシンロック(スカボロー礁)衝突での中国側死者情報を確認中
2025年8月12日時点

フィリピン海軍は火曜日、人民解放軍海軍(PLAN)艦と中国海警局(CCG)船がバホ・デ・マシンロックで衝突した今週月曜日の事案で、中国側に死者が出たとの報道について確認を進めていると明らかにしました。

「現在確認中です」と、西フィリピン海(WPS)担当のフィリピン海軍報道官ロイ・ヴィンセント・トリニダッド少将はGMAニュース・オンラインへのメッセージで述べました。

これは、ピン・ラクソン上院議員が、当該事案で中国海警の隊員2名が死亡した可能性があると述べた事を受け、情報提供を求められた際の発言です。

「我が国の漁民への補給任務の為、バホ・デ・マシンロック付近に向かったPCG(フィリピン沿岸警備隊)の船を追跡中、人民解放軍海軍艦と中国海警局船の間で発生した衝突により、中国海警局船乗組員2名が死亡したとの報がある」と同議員はX(旧Twitter)への投稿で述べました。

「PCG艦長の巧みな操艦を誇りに思う一方で、中国海警局要員の尊い命が失われた事は痛ましい」とも付け加えました。

海事専門家で元米空軍将校、元国防駐在官のレイ・パウエル氏は、中国船がバホ・デ・マシンロック付近で捜索救難(SAR)活動を行っていると述べました。

「少なくともCCG船1隻と民兵船8隻が、昨日午後の(PLAN)駆逐艦との事故以降、礁の東15~25海里の海域でSAR活動を実施している」と同氏。

「損傷したCCG3104は、事案前から自動船舶識別装置(AIS)をオフにしている」と同氏は付け加えました。

トリニダッド少将は、中国船の動きのパターンから、少なくとも1名の乗組員が海中に落下した可能性が示唆されるとGMAニュース・オンラインに語りました。

「一般に海上での捜索に用いられるパターンであり、落水者がいる状況を示すものです」と同少将。

GMAニュース・オンラインは、中国大使館およびフィリピン沿岸警備隊(PCG)にも、当該衝突での中国側の死亡情報について問い合わせていますが、掲載時点では回答を得られていません。

・人民解放軍の発表

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「中国海警、月曜日にフィリピン沿岸警備隊・政府船舶の黄岩島(スカボロー焦の事)付近への侵入を法に基づき対処」

中国海警の甘羽報道官は月曜日の声明で、フィリピン側が月曜日、漁船への補給を名目として複数の沿岸警備隊および政府船舶を派遣し、中国側のたび重なる制止と警告にも関わらず、中国の黄岩島付近の海域に強行侵入したと発表。

中国海警は法に基づき、追尾・監視・阻止・制御などの必要なあらゆる措置を講じ、フィリピン船舶を排除しました。

黄岩島は中国の固有の領土です。中国海警は今後も法に基づき、黄岩島周辺海域での権利保護の為の法執行活動を継続し、中国の国家的な領土主権および海洋権益を断固として守る所存です。

これらを併せて見ると、中国政府はスカボロー焦で解放軍と海警局が自爆して死者が出たのを国内には隠している事が伺い知れます。