https://youtu.be/0kz5vEqdaSc
https://youtu.be/l7CAS7tTk_Y
「サウジアラビアの未来都市「NEOM」は、中国共産党の監視システムを組み込んだオーウェル的な監視都市になる可能性が高い」
事実、新華社はサウジアラビアのスマートシティ「NEOM 」は、中国とサウジにとって重要なプロジェクトだと既に報道しています。
- 2040年までにサウジアラビアは砂漠にNEOMと呼ばれる未来都市を建設する事を目指しています。
- これは、ムハンマド・ビン・サルマン皇太子による国家近代化ビジョンです。
- しかし、アナリストは、NEOMは中国の技術を利用して構築され、住民を完全な監視下に置く事が出来るようになると考えています。
NEOMには暗闇で光るビーチ、スキー場、人工月、執事ロボット、空飛ぶタクシーも登場する予定です。これらの未来的な街を支えるセキュリティは、カメラ、ドローン、顔認識技術による広大な監視ネットワークによって維持されます。
一見、素晴らしいスマートシティであるNEOMですが、サウジアラビアのサルマン皇太子によって展開されているこの計画の背後には暗い現実がありました。
ワシントンのシンクタンクの報告によると、中国は既にエジプトやセルビア等で、ユーザーデータに基づいて実行される、所謂「安全な都市」を作成する為の監視技術(ウイグル人監視などで培った技術です)を提供しています。
残念ながらサルマン皇太子は、NEOMでこうした中国共産党の監視プロジェクトを大規模に導入する事に大変熱心な様子。
サウジアラビア政府とファーウエイ(Huawei Technologies) による、サウジアラビアの都市でのクラウド コンピューティングとハイテク複合施設の建設に関する覚書も既に締結されています。
https://youtu.be/4ExTI_V6csc
都市計画者によると、現在のスマート シティは可能なユーザー データの約10% を使用していますが、NEOM は AI によって有効化され、90% を使用します。
中国はどのようにNEOMに関与していくでしょうか?
昨年 12 月、皇太子は習近平主席をサウジアラビアに迎え、豪華な首脳会談を行いました。そこで首脳は、監視技術を含む幅広い問題での協力を発表しました。
ワシントン DCのクインシー研究所の研究者Annelle Sheline氏は「中国で見られる監視体制と同じ程度の物理的監視体制は(サウジアラビアでは)まだ見られていませんが、中国はサウジアラビアや他の湾岸諸国と協力して監視装置の導入を実施し始めています。 」と指摘しています。
英国チャタムハウスの研究者ジェームズ氏は、監視技術の 1 つの形は、過去のデータを用い、リアルタイムに人の行動を追跡・監視する為の“顔認証技術”にリンクされた監視カメラであると述べています。
中国がサウジアラビアに売却すると思われる監視技術は、監視カメラの映像を生体認証情報を含む他のデータセットにリンクする能力を持っています。
こうした技術がNEOMに導入される事により、「一見、楽し気な新疆ウイグル自治区レベルの監視都市」が完成。
クラウド テクノロジー、特に大量のコンピューター データを保存する事になるこの案件を、中国企業に依頼すること自体、危険です。中国の通信大手ファーウェイは、 NEOMを含めてサウジアラビアと既に契約を結んでおり、ジェームズ氏はファーウエイがNEOM市内のユーザーにどの程度のプライバシー保護を確約するかについて大きな疑問があると述べています。
Huawei は、NEOM における自社の役割について メディアからコメントを求められても返信せず、NEOMの広報担当者も市の監視に関する懸念についてコメントを求められても返答をしなかった様です。
ファーウェイはサウジアラビアを地域のハブとして見据えている
習近平国家主席とサウジアラビアによるファーウェイを含むビジネス協定の契約には、クラウド コンピューティング、データ センター、およびサウジアラビアのさまざまな都市におけるハイテク複合施設の設立が含まれています。
また、中国とサウジアラビアは包括的戦略的パートナーシップ協定と、一帯一路構想のサウジでの展開、「サウジアラビアの経済および技術開発の多様化を目指す為のビジョン2030」における調和計画にも署名しました。石油輸出依存からの脱却を中国共産党にお願いした様です。
ムハンマド・ビン・サルマン皇太子 (MBS) の発案によるビジョン2030 は、サウジアラビアを「世界的な投資大国」にする為のもので、ファーウエイやSiemens、およびその他の外国のテクノロジー企業の参加は、ビジョンを実現する為の鍵とされています。
ファーウェイの事業ポートフォリオと重複するビジョン2030に必要なテクノロジーには、以下が含まれます。
- モバイル通信
- 人工知能
- 高度なコンピューティング
- 量子情報技術
- ロボット
- 海底ケーブル
特に、ファーウェイが関与する可能性が高いのは、同国の北西部の紅海沿岸から、冬季にスキーが可能な内陸部の高山まで広がるNEOM経済特区です。NEOM には、国際空港、海辺と山のリゾート、水上工業団地、「ザ ・ライン」と呼ばれる未来都市が含まれます。
NEONはサウジアラビアでの大規模な一帯一路プロジェクトと言えるでしょう。
NEOM は市民に対して、どのように監視を行いますか?
サルマン皇太子は自分の権力を強化しようと、テクノロジーを通じて批評家を監視する能力を強化し、反対意見を鎮圧する事に力を入れてきました。
サウジアラビア政府は最近、ネット上の言論の自由に対する驚くべき弾圧を行い人権団体から批判を受けています。
サウジアラビア当局はオンライン空間を利用して意見を述べる個人に対する残忍な弾圧をエスカレートさせて来た、とアムネスティ・インターナショナルが今年2月に発表しており、アムネスティ・インターナショナルは2022年に”平和的”にオンライン活動をしていた事を理由に、10年から45年の禁固刑を言い渡された15人の事例を記録し、それを公表してサウジアラビア政府を糾弾しています。
また、サウジアラビアは反体制派の情報を不法に入手し、オンライン上でサウジアラビア政府について発信される情報をコントロールする為に、少なくとも1つのソーシャルメディア企業に潜入しています。
今や標的は、オンラインで表現の自由を平和的に行使している「普通の」一般市民にも及んでいます。サウジアラビア政府による衝撃的な判決は、サウジアラビアのすべての市民と居住者に、いかなる異論も容認されないという事を冷徹に知らしめた。
サウジアラビアは、人権擁護者、ジャーナリスト、市民社会のメンバーを取り締まるという、長く悪名高い記録を持っていますが、彼らの標的は今や、オンラインで表現の自由の権利を平和的に行使している「普通の」市民にも向けられています。
同時に、サウジアラビアはオンライン・プラットフォームに侵入して、サウジアラビアとその指導者について投稿される情報をコントロールしようとしているとも指摘されています。まるで中国共産党とそっくりで、独裁国家丸出しなやり方ですね。
アムネスティが挙げた15人全員の事例で、元々テロ事件を裁く為に設置された専門刑事裁判所(SCC)によって起訴がなされています。SCCは平和的な表現やオンライン活動を「テロ」と同一視する反サイバー犯罪法やテロ法の曖昧な規定を用いて、これらの個人を訴追したとの事。
サウジアラビアのこうした状況を見守っている専門家は、サウジアラビア政府はハイテクな未来に向けて邁進し、投資と技術革新を推し進めようとしている一方で、サルマン皇太子は反対意見を監視し、鎮圧する権限を一切放棄するつもりはないだろうと語っています。
「それらは『エコシティ』または『スマートシティ』として広告がなされていますが、私達はそれらを『監視都市』と呼んでいます。基本的に、NEOMの様なスマートシティは人々の個人データによって支えられたアーキテクチャ上に構築されており、サウジアラビアのような国ではデータ保護やセーフガード、監視、説明責任、透明性、権力分立がなく、 サルマン皇太子が実際は治安機関を支配しているという事実しかありません。それは恐ろしい状態です。」
サルマン皇太子は先日、習近平と共に米国のドル覇権を打ち倒す等と言っていましたが、こうした背景を見ると納得ですね。
似た者同士が独裁体制を構築しようとしています。その為に米国や西側は邪魔なんでしょう。