NVIDIA決算発表

決算内容に投資家は納得せず、発表後5%程度下落。それ以上の大きな波乱は起こらず乗り切れました。

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水曜引け後に発表されたNVIDIAの決算は、Q2決算シーズンで最重要級、ひいてはパウエル議長のジャクソンホールでの方針転換以上に注目されるイベントと見られていました。

NVIDIAは時価総額が大きく、S&P500に占める比率が約8%まで上昇しており、1社の決算が指数やテック全体、AI関連株の地合いを左右し易くなっています。

また、ハイパースケーラー(クラウド大手)のデータセンター向けAI投資の中心にNVIDIAがいる為、同社の見通しが米国株を牽引しているAIブームの持続性のバロメーターになるのに重要です。

結果

NVIDIAはデータセンター売上未達で下落、堅調なガイダンスも強気派を納得させませんでした

  • 売上見通し(8–10月期/Q3): (540億ドル±2%)。市場予想(約531億ドル)を上回るガイダンス。
  • 株価反応: 時間外で約-2.6%。見通しは良好でしたが、中国関連の不透明感と「サプライズ不足」で売られています。
  • 直近決算:(5–7月期/Q2)は売上 (467.4) 億ドル(予想 (460.6) 億ドル)で全体は上振れ。ただし重要部門のデータセンター売上は市場予想(約(414.2) 億ドル)をわずかに下回り、クラウド大手の投資ペース鈍化懸念が浮上。
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決算発表前は181ドル付近で推移していましたが、発表後は一瞬171ドルまで5%近く急落。その後、4月からの上昇を支えているサポートラインが意識されサポート上で推移を始めています。

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中国の影響が大きい

  • 中国向けH20売上をガイダンスに含めていない: 米政府の対中規制(手数料15%案など)が不透明で、見通しに入れていない。
  • その為、見通しは堅い一方で「上振れ余地」も示唆。もし中国向け出荷が進めば、次期以降に追加の売上が乗る可能性。
  • 5月時点で規制の影響によりQ2売上が約80億ドル押し下げられるとの会社コメントもあった。

7月末、トランプ大統領がAI計画の中心に米国の半導体や関連インフラを据え、ワシントンでの演説中にジェンセン・フアン氏へスタンディングオベーションが起きる場面もありました。その後の報道では、Nvidiaが中国向けAIアクセラレータを米政府に収益の15%を還元する条件で販売する「 quid pro quo(相互取引)」に合意したとの事。更に大統領は、フアン氏とNvidiaがBlackwellアーキテクチャに基づく新たな中国向けチップを模索している事をほのめかしました。

とはいえ、これらがNvidia側でどこまで具体化しているのか、また同社の短期的な売上トレンドを変えるほどの影響があるのかは不透明です。既にAIチップ市場を支配する同社にとって「針を動かす」規模に達しているのか、依然として疑問が残ります。いずれにせよ、投資家にとって焦点の一つは、物議を醸しているH20チップに関するアップデートでしょう。

NVDAは、この重要な問題に触れ、第2四半期には中国拠点の顧客へのH20販売はなかったと述べ、将来的に販売があるかどうかについては、今回の電話会議で議論される可能性が高いと言っています。NVIDIA はまた、中国国外の顧客への約6億5,000万ドル分のH20販売により、以前に留保していたH20在庫を1億8,000万ドル解放した事で利益を得たとも発表しました。

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成長見通しと市場の懸念

中国要因を除いても、S&Pの8%を占め、世界最大の時価総額を持つNvidiaは急成長を続けています。ウォール街は2030年までの売上予想を並べ、当面は着実な増加を想定しています。問題はその「成長率」です。数字が失望的であれば、AIインフラ投資の大盤振る舞いがいずれ減速を余儀なくされるのではないかという懸念が、再び強まるでしょう。

勿論、3Qの見通しで中国向けのH20出荷を織り込んでいない事は、上振れ余地を残していると言えます。

中国国内のAIチップは最新のLLMを動かすには性能面で大きく見劣りする為、中国が今後NVDAのチップを大量に購入する可能性は高いと考えられます。

業績についてフアンCEOは、「NVIDIAのAIインフラに対する世界的な需要は非常に強い。AI推論のトークン生成はわずか1年で10倍に増加しました。AIエージェントが主流になるにつれて、AIコンピューティングの需要はさらに加速するでしょう」とコメントしました。

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需要の中身

  • データセンター売上の約半分がクラウド大手(ハイパースケーラー)から。
  • H20は中国以外でも需要あり。Q2に中国外の単一顧客が約6.5億ドル購入。
  • ソブリンAI(政府向けAI)が加速。CFOによると、今年だけで約200億ドル規模の売上ペース。2030年末までにAIインフラは3–4兆ドルの累計支出、そのうち今年だけで6,000億ドルが発生との見立て。

株式・資本政策

  • 自社株買いを600億ドル追加承認。強いキャッシュ創出と株主還元意欲を示す一方、成長投資とのバランスも注目点。

市場の受け止め

  • ガイダンスは上回ったが、エヌビディアの「常に大幅上振れ」に慣れた投資家にはインパクトが相対的に小さく、反応は限定的。
  • 一部アナリストは、AI投資の短期的収益化が見えにくく、クラウド大手の支出に天井感が出る可能性を指摘。

NVIDIAが決算を受けて大きく崩れなかった為にS&P500先物も崩れず推移しています。

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