トランプ政権がNVIDIAのH200というチップについては条件付きで中国に売ると言い始め、物議を醸しています。

ところが習近平はH200は要らないと発言。

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アメリカが中国への先端AI半導体の輸出規制を一部緩め、NvidiaのH200チップについて条件付きで中国に売ってよいと方針転換したと騒がれています。ただし、最先端の次世代チップ(Blackwell世代など)は依然として中国に売りません。

この件についての各メディアの報道は以下の通り

France 24
米保守派がトランプが承認した Nvidia の対中チップ輸出は人民解放軍を強化すると非難。
ワシントンの対中強硬派は、Nvidia が第2世代にあたる高性能 AI チップを中国へ出荷する事を認めたトランプ政権の決定を、軍事力の増強に繋がるとして激しく批判した。
3時間前

CNN
トランプ大統領、Nvidia の H200 チップ対中輸出規制を解除。
ドナルド・トランプ大統領は月曜日、中国への H200 チップ輸出に課されていた規制を撤廃すると発表した。これは、米中間で激しさを増していた対中半導体輸出規制の大きな転換点となる。
19時間前

The Economist
ドナルド・トランプの、中国を Nvidia チップに依存させるという欠陥だらけの計画。
AI 覇権をめぐる競争において、中国はソフトウェア面ではアメリカと互角の戦いをしている。中国発の AI モデルは現在、性能面で米国製モデルと肩を並べることが珍しくなくなっている。
6時間前

Financial Times
Nvidia に中国への H200 AI チップ輸出を認める方針、トランプ氏が表明。
ドナルド・トランプ氏は Nvidia に対し、中国への H200 チップの輸出を認める方針を示した。この動きは、一部の米国安全保障関係者の間で懸念を呼んでいる。
10時間前

CNBC
トランプ氏による Nvidia の対中 AI チップ販売容認に、共和党から冷ややかな反応。
トランプ氏は、中国の習近平国家主席が、Nvidia に H200 AI チップの販売を認める代わりに米国が売上の 25%を得るという提案に「前向きに応じた」と述べた。
3時間前

ロイター
Nvidia の対中チップ販売容認で米国の安全保障懸念が高まる。
12月9日(ロイター)――対中強硬派や民主党議員らは、Nvidia に対し中国向け高性能チップの輸出を認めたトランプ政権の決定を、安全保障上の観点から厳しく批判している。
2時間前

ロイター
トランプの輸出容認にも関わらず、中国は Nvidia H200 へのアクセス制限へ。
フィナンシャル・タイムズ紙によれば、ドナルド・トランプ米大統領が Nvidia の高度な H200 チップの対中輸出を認めたにも関わらず、中国政府は同チップへの国内でのアクセスを制限する方向だという。
12時間前

CNBC
Nvidia の H200 AI チップ、中国への販売をトランプ氏が容認 米国が 25%取り分と発言、習氏も前向きな反応。
ドナルド・トランプ大統領は、米国政府が Nvidia に対し H200 AI チップを「承認済みの顧客」に出荷する事を許可し、その条件として米国が売上の 25%を受け取る事で合意したと述べた。また、この提案に対し習近平国家主席も前向きな反応を示したと語った。
5時間前

CNBC
Nvidia は、より高性能な H200 AI チップを中国へ販売可能に――ただし中国側の需要には不透明感も。
トランプ大統領が、Nvidia に対しより高性能な H200 AI チップの対中販売を認めた事で、同社は新たな市場機会を得た。一方で、中国政府や中国企業が、政治的・技術的な理由からこれらのチップをどの程度受け入れるのかについては、なお疑問が残っている。
11時間前

こちらはトランプ自身の投稿

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私は中国の習主席に対し、アメリカ合衆国が、国家安全保障を引き続き強固に維持できる条件のもとで、NVIDIA社によるH200製品の中国およびその他の国々の承認済み顧客への出荷を認める事を伝えました。習主席は前向きな反応を示しました。収益の25%がアメリカ合衆国に支払われます。この方針は、アメリカの雇用を支え、米国の製造業を強化し、アメリカの納税者に利益を齎すものです。

バイデン政権は、我々の偉大な企業に対し、誰も望まない「性能を落とした」製品を作る為に数十億ドルを費やす事を強要しましたが、これはイノベーションを阻害し、アメリカの労働者を傷つけた酷いアイデアでした。その時代は終わりました。我々は国家安全保障を守り、アメリカの雇用を生み出し、AI分野におけるアメリカの優位性を維持します。

NVIDIAの米国内顧客は、既に非常に高度で驚異的なBlackwellチップ、そして近く登場するRubinチップの活用を進めており、これらはいずれも今回の合意の対象外です。私の政権は常にアメリカを第一に考えます。商務省は現在、詳細の最終決定を進めており、同様の方針はAMD、Intel、その他の偉大なアメリカ企業にも適用される予定です。

アメリカを再び偉大な国にしよう!

元々アメリカは、中国の軍事力や監視技術の高度化を抑える為に、NvidiaのA100/H100などの高性能GPUを中国に輸出できないよう規制をかけてきました。これは「中国のAI・スーパーコンピューター開発をできるだけ遅らせる」という安全保障上の狙いがありました。

ところが今回、トランプ政権は「H200なら売ってよい。その代わり、売上の25%をアメリカ政府が取る」といった条件で輸出を認める方針に転じた、と報じられています。つまり、安全保障上はリスクがあるが、米国企業の利益や税収(あるいは交渉カード)にもなるので、制限を一部緩める代わりに“通行料”を取る、という発想です。

この動きに対して、アメリカ国内の保守派や一部の民主党議員、安全保障専門家などは当然ながらかなり批判的です。

・中国のAI開発や軍事技術(無人兵器、サイバー戦、監視システムなど)を強化してしまう懸念がある。
・金銭を取る形にしても、本質的には「AI開発に必要な兵站=GPU」を中国に供給している事になる。
・一度依存関係ができると、中国側もその環境を前提に戦略を組む為、後から締め付けても遅い可能性がある。

一方で、トランプ側の発想としては、大きく言えば「どうせ中国は別ルートでチップや能力を手に入れようとするのだから、アメリカ企業の製品を使わせて、その分アメリカが金もデータも握ったほうが得だ」「完全に締め出すより、コントロール可能な範囲で売ったほうが主導権を維持できる」といったロジックだと解釈されています。The Economist などが書いている「中国をNvidiaチップに“依存させる”事で逆に中国を縛る」というような構想です。

しかし、ここでややこしいのは、中国側(北京当局)も「じゃあ喜んで無制限に買います」という話にはなっていない、という点です。

Financial Times や Reuters の記事では、「中国政府は、H200に対しても国内で利用やアクセスを制限する方向だ」と報じられています。

理由としては、

・過度にアメリカ製チップに依存することは、将来自分たちが締め付けられたときに大きなリスクになる。
・国家安全保障や軍事関連の分野では、アメリカの影響を受けにくい国産チップ・国産エコシステムを優先したい

といったものが考えられます。

つまり、「アメリカは売ると言い、中国企業も性能的には欲しいが、中国政府は“依存し過ぎると危ない”のでブレーキをかけようとしている」という微妙な状態です。

全体として何が起きているかを一言で言えば、「アメリカと中国がAI・半導体をめぐって綱引きをしている中で、トランプ政権が“安全保障リスクをある程度許容しつつ、金と主導権を取りに行く”方向に少し舵を切った。それに対して、アメリカ国内の安全保障関係者は反発し、中国側も全面的には乗ってこない」という状況です。

トランプはNvidiaのH200を中国に売るのは止めた方が良いでしょう。非難轟轟です。

この件についての指摘👇

・米国は、NVIDIA社のH200チップの対中輸出を承認する方針を決定したと報じられていますが、これにより、中国のAI研究機関は、中国国内では少なくとも2028年頃まで製造できない性能を持つチップを利用できるようになります。この決定の重要性は、どの程度の数量を輸出するかによって大きく変わります。

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・私達は現在、中国に対する計算能力の優位性を、33対1から1.2対1へと事実上縮小してしまう方向に進んでいます。その原因はnvidiaのフアン氏が、自分達の利益の為にトランプ氏の懐へ何百万ドルもの資金を流し込み、その結果として私達全体の不利益を招いているからです。

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・皆さん・・・中国への H200 チップの販売を政権が承認した“同じ日に”、司法省はまさに“同じチップ”についてこう言っているんです。「これらのチップは AI における優位性を築く為の基盤であり、現代の軍事用途に不可欠なものです。このチップを支配する国が AI 技術を支配し、AI 技術を支配する国が未来を支配する事になるでしょう。」私達は、目先の利益の為に自分達を妨害しているようなものです。もし本気でこういう姿勢を取るのだとしたら、私達は自ら敗北を招いていると言わざるをえません。

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・FBI公式「米国当局は中国関連の大規模なAI技術密輸ネットワークを摘発しました。「オペレーション・ゲートキーパー」により、ネットワークの摘発と、中国およびその他の禁輸地域向けであった先端GPU5,000万ドル相当以上の押収を実施。

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・トランプ大統領が中国へのNvidia H200チップの販売を承認したにも関わらず、中国はこれらの受け入れを拒否し、その使用に対する規制を一層強化している。— フィナンシャル・タイムズ

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・中国は、トランプ氏が「輸出してよい」と認めたにも関わらず、NVIDIAのH200チップに「ノー」を突きつけました。予想外の展開として、米国が輸出規制を緩和した直後に、今度は北京側がNVIDIAの超高性能H200チップへのアクセスを制限し始めたのです。

そうです、米国が“縄を緩めた”そのタイミングで、中国は逆にその縄を引き締めたわけです。

H200は、NVIDIAの次世代AI向けフラッグシップチップで、高速メモリとより強力な計算能力を備えています。大規模言語モデル(LLM)から軍事レベルの監視システムまで、あらゆるものを強化し得るチップです。

では、なぜ中国は自国企業によるこのチップの購入を阻むのでしょうか。

理由はシンプルで、「統制」「戦略」「疑心暗鬼(パラノイア)」、あるいはそのすべてかもしれません。これは、次のような狙いによる可能性があります。
・国産の代替チップを促進する
・外国製テクノロジーの利用をより厳しく管理する
・米国製テクノロジーや輸入への依存を避ける

いずれにせよ、これが示しているのは、中国がもはや米国の政策に受け身で対応しているだけではなく、AI冷戦において自ら攻勢に出ているという事です。テクノロジーのデカップリング(分断)は、単に進行しているだけではありません。米中双方の手によって、その速度は加速しつつあります。

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・民主党議員重鎮「トランプ氏は、自身の司法省が中国へ違法に密輸されていると明らかにした最先端AIチップを、NVIDIAに輸出させています。このチップを、自身の司法省は「AIの優位性を築くための基盤」と呼びました。トランプ氏とラトニック氏は、なぜ米国の安全保障を売り渡してまでこれらを販売しているのか、議会に対して説明する責任があります。」

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